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その男、薮の彼方に消ゆ

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2010年 01月 10日

お山に雪、里も雪

せわしない。

ばたばたと走り回る。安曇野あたりで用事を済ませていたら、雲が切れて常念岳が姿を見せていた。


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雪煙かと見まがうような、荒々しいガスが常念にまとわりつく。常念岳は、松本付近から仰ぐと、前常念岳(2661.8m)と本峰(2857m)が重なるため、きれいな三角錐になる。蝶ヶ岳側のごつごつも、特に午後の日差しを浴びると男前である。しかし裏側、なぜか槍ヶ岳からは山体の曲線が強調されて母なる乳房のようにやさしい姿になるから不思議だ。





松本から北に少し移動すると、前常念岳(画像中央左側)が分離されて見え始める。個人的にはこの写真のように、豊科付近から見る姿がいちばん好ましいのだ。さらに視点を北に移動すると、前常念岳へと伸びる尾根が「吊り尾根」状態になり、またまた表情が変わる。これまたかっちょいい。



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隣の蝶ヶ岳にも凄い風が吹き流れているようだ。写真左端が最高点のあるピーク(2677m)、蝶ヶ岳ヒュッテの南の標識が立つところ。ここから右下方向に白い蝶型の雪型が現れるのは、春から初夏にかけてだ。写真右端のやや尖ったピークは蝶槍。



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横通岳(左、2767m)と東尾根、右端がいまだ踏めずにいる2467峰。このハイマツの海に浮かぶ無名ピーク、浅川山の西側に伸びる林道から取り付いて薮漕ぎ5時間と聞く。やはり残雪期に雪を利して歩くほかあるまい。この春には念願叶うだろう、うしし。




午後になって大町に移動する。途中の松川村まで来ると、有明山を過ぎて餓鬼岳の山裾を通るかっこうになる。

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餓鬼のコブ(2508m)が見えた。左に餓鬼岳の山頂があるのだが、雲は消えずじまい。餓鬼岳は、その無骨なこしらえならではの厳つい姿がいいのだ。合戦尾根の上の方から北へ、餓鬼岳へと続く稜線を眺めると、剣ズリの岩峰を添えた姿なんか悶絶するほどかっちょいい。花崗岩の岩肌が所々に見えて歩きにくそうだが、静かな旅を期待させる風景なのだ。ことし餓鬼岳からさらに唐沢岳(下の写真)へ、足を伸ばしてみたいものである。



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常念山脈の北端、唐沢岳(2632.4m)、右端の急斜面のさらに裏側に幕岩がある。安曇野側からは見えない。う〜んこの時期、雪をまとった神々しいお山の姿がたまらん。これを指をくわえて眺めるしか無い、というのもまた、人生の味わいか。



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大町市の常盤辺りはこのくらいの雪。

大町にいる間は後立山は雲の中、手前の白沢天狗山しか見えぬ。やがて帰る頃になって、真っ白な鹿島槍と爺ヶ岳が姿を見せてくれる。松本への帰路、振り返り振り返り、その白いビジュアルを愛でる。ミラーにも映る。運転がやばくなる。が、正面に遠く南アルプスが見えていることに気づく。左に甲斐駒、北岳と仙丈、右奥に塩見... いったい、僕はどこを見れば良いのか? 後にも目玉をおくれ、僕の神様。

by yabukogi | 2010-01-10 03:34 | 里から眺める山


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