山の仲間とは、いいものだ。
ふだんは独りでごそごそやってるけれど、たまにはこういう山行に出かけたい。
2009年8月17日-18日、仲間5人で新穂高--槍平--肩の小屋(幕営)--南岳--槍平--新穂高、と巡る。
肩の小屋のテン場に張られた、僕のエスパース。思い出せば酒を飲みたくなるような、楽しい宴会だった。背後の大きな高まりは、大喰岳。
8月17日の夕刻、静かな山頂に立つ。僕はただ、そこから見下ろす北鎌尾根、そして独標の偉容に圧倒される。
この尾根の向こうに広がるのは、空じゃない。高瀬川が刻んだ深い谷が虚ろに広がっているのだ。今居る場所の高さを実感する以上に、北鎌の峻険さを思い知らされた瞬間だった。
そして翌日は、南岳でひるめしを楽しみ、滝谷を眺めドームを仰ぎながら、浮き石だらけの長い長い下りを歩く。槍平の小屋を経て新穂高に帰り着いたのは、真っ暗になった20時過ぎ。何ともこころに残る山旅であった。