その男、薮の彼方に消ゆ

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タグ:北アルプス ( 12 ) タグの人気記事


2011年 08月 18日

稜線に秋の気配を

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数日前、大天井岳付近をうろうろ歩いていた折りのこと。


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縦走路脇にバイケイソウの群落成す箇所がある。今年は当たり年なのか、北アのどこでも、この白い花を眺められたものだ。この花も、七月のある日に咲いたと思ったらいつしか枯れ、鮮やかなみどりの葉も茶褐色にしおれていた。夏が過ぎ去ろうとしているのだ。



大天井岳から常念方向に稜線の道を選ぶと、ふるい岩室のあたりにコマクサが咲き乱れる。
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花は色を残すが、みずみずしさは失われ、枯れてゆこうとしている。



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すがた美しい常念を背景に、チングルマも風に揺れる。



稜線には、こんな秋の気配が、静かに漂っていた。

うむ、困ったことだ。また食欲が募るではないか。
末尾ながらピンのボケにはご容赦!
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by yabukogi | 2011-08-18 06:38 | 書くまでもないこと
2011年 08月 10日

黒唐飛廉

稜線の一角に、黒いイガのような薊(あざみ)の蕾のような、不気味なしろものがたくさん出ていた。さては面妖な、得体の知れぬやつめ。北アの標高2800mぐらいの斜面上部、明らかに春までは雪庇成す稜線直下である。


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擦り切れた持ち主も判らぬ高山植物図鑑を引っ張り出す。ページを丹念にめくりながら調べると、クロトウヒレンという多年草らしい。漢字では黒唐飛廉の字が記されている。ふだん花の名前を調べたり、ましてやこれを覚えたりすることなど滅多にないが、その姿の奇妙さと不可思議な漢字の組み合わせが、記憶に残った。




黒いイガのような姿から、八月に鮮やかな薄紅色があらわれてくる。どちらが花としての本当の姿なのか、僕は知らない。
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by yabukogi | 2011-08-10 19:39 | 書くまでもないこと
2011年 07月 11日

雷雲去りて北鎌尾根が


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表銀座の稜線は俄(にわか)に雷雲に呑み込まれる。
黄色い閃光はなぜか、どこからか硫化水素の匂いを運んでくる。
なんであろう。湯俣あたりの空気が持ち上げられてきているのか。

硫黄に、鋼を擦ったような匂いが混じる。
しばし山々が轟いたあと、ガスを割った東鎌尾根の上に、
うつくしい北鎌尾根が姿を表す。

北アルプスは、夏。
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by yabukogi | 2011-07-11 19:08 | 北アルプス・槍穂高
2010年 11月 07日

燕雪尾根ハイキング

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2010年11月6日、快晴。


ご近所のカワムさんと新雪の燕岳を日帰りハイキング。稜線に雪と氷と戯れて、至福の一日を過ごす。



歩き慣れた合戦尾根をふぅふぅ這い上がり、雪が出てきて無邪気にはしゃぎ、穏やかな(それでも冷たい)風に吹かれて槍ヶ岳を眺め、あたたかい飯を腹に収めて、またひとの棲む街に戻る。たったそれだけのことながら、この一日のおこないがしつこい肩こりをほぐし、腰痛を癒し、脳天からびりびり飛んでる青白い火花を消し去ってくれるのだ。

>>ぐわ、冬の北ア!
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by yabukogi | 2010-11-07 08:41 | 北アルプス・常念山脈
2010年 11月 02日

烏帽子から遠く眺めて

先日、ブナ立尾根から烏帽子岳へと歩いた折りのこと。

尾根の樹林帯を歩きながら振り返ると、ずいぶん遠くまでを見晴るかすことができた。最初は菅平の向こうに四阿山が見えたぐらいで喜んでいたのだけれど、標高を上げると...


  おんや。あれって、妙義じゃねぇかい?


山の先輩に、展望オタク、山座同定マニアのひとが居て、たぶん一度も間違えることなく、遠くのお山のシルエットを「なにである」と断定していた。僕にはそんな芸当はできないけれど、むかしむかし、それも北関東などは父に連れられて少年時代に、会津の藪山は死んだ山友と肩を並べて歩いたエリアである。もし同定が叶えば、その時の懐かしい想い出も甦ってくるかも知れない。


「カシミール」というソフトウエアがあって、標高データを読み込ませると、任意の地点からのマウンテンビューを正確に描画してくれる機能がある。これを使えば山座同定もきちんと検証できるのだけれど、僕はMac環境のためこのソフトが使えない。そこで何枚もの10万分の1地形図を広げて長いモノサシを当てたりしながら、以下のような同定を試みた。たぶん大間違いが多数あるはずなので、願わくば誤りをご指摘いただきご叱責を賜りたい。



烏帽子岳から東方面を見ると、地図上はこんな位置関係をもつ。(1)から(3)の順に見てみる。

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【クリックで別ウインドウに拡大表示】


■東南東方向■■

まずマップ上の青矢印(1)。東南東を眺める格好。北ア稜線上の烏帽子からは軽井沢の方角になる。つまり、視線は妙義などの西上州の山をかすめたのち、関東平野の平坦地に消える。こちら方向には【四阿屋山1,387m】という里山があって、ランドマークになる。別な方角(2)で百名山の【四阿山2.354m】があるが、似た名前の別なお山である。このように把握すると、浅間山の南斜面のスロープの上に、裏表の妙義山が並ぶはずで、実際そのように見えていた。微妙なのは、書き込みで【赤久縄山1,522?】としたあたりで、ここには荒船山の東側にあるいくつものピークが顔を出すのか、神流川左岸(北面)の赤久縄山あたりが見えてくるのか、こころもとない。

>見えますか?
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by yabukogi | 2010-11-02 10:22 | 山から眺める山
2010年 10月 25日

静寂と展望の稜線・烏帽子岳 2010/10/24

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北アルプスは、冬を迎える。林道ゲートが閉まると物理的にも稜線は遠くなる。せめて、今年の山遊びの御礼をひと言申し上げねば気が済まぬ。日帰りでどこか... そう思案していたらご近所のカワムさんがご一緒くださることに。ふたりでプランを出し合い、前の日まで行き先に迷いに迷ったが、日帰りでブナ立て尾根から烏帽子岳をおとなうこととする。2010年10月24日、高曇りの空は午後まで泣き出さず、僕らの下山に合わせるかのように細かい雨つぶを落とした。


七倉の駐車場にカワムさんのクルマを置いて、0430歩き始める。高瀬ダムで東の空が明るみはじめ、不動沢の吊り橋あたりでヘッデンが不要に。濁沢方面には足場を組んだ歩道が仮設されている。


人影は、ない。気配もない。遠くに姿を認めることもない。

>> 続きは稜線で...
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by yabukogi | 2010-10-25 20:46 | 北アルプス・主稜線
2010年 09月 15日

鹿島槍ヶ岳・二日目後半

腹が減ると、この朝のことを思い出す。


もう夏の想い出となった鹿島槍二日目、2010年8月24日後半の行動。この未明に冷池のテン場を出発、鹿島槍ヶ岳山頂を訪れ、ぐぅぐぅと鳴る腹をなだめながらテン場に戻ったのだ。急いで湯を沸かし豚骨ラーメンに高菜漬けやキクラゲを投入したことは、さきに書いた。とにかく、これを喰ってテント畳んで撤収。



爺ヶ岳への稜線を歩き種池から扇沢に降りれば、僕の夏山は終わる。たった二日間だけど、大縦走でもバリエーションでも登攀でもない小さなハイクだけど、大切な旅が終わる。降りてしまえば仲間に来年までのアディオスを告げ、それぞれの街に散る。だから爺ヶ岳へ、扇沢へ、残された半日をたいせつに歩こう。



今日は、すべての一歩を忘れないぐらい、心にしみじみと刻みながら歩くはずだった。ところが、冷池から爺ヶ岳へと向う緩やかな登りがきつい。長い。水平歩道をイメージしてて、実際はそのようなものだが、きつい。昨日の疲れに加えて、朝の鹿島槍山頂往復の疲れを載せて、ふらふらに歩いているのだ。とても一歩一歩を心に刻むどころじゃない。途中、鬼軍曹のNut's氏がペースを合わせてくれるが、こらえきれず先行してもらう。むむむ。年齢同じくして、軍曹は原子力で動いているとまで囁かれている。これは基礎的な体力を養うことは勿論のこと、すみやかに疲労回復をはかるという技術的な問題もあるな。



冷池の乗越を過ぎて赤岩尾根の積雪期下降点をチェックする。ここか。確信は無いがたぶんここだ。春の陽光の下、僕がここを歩くことを想像する。本当に来れるか。きっと大丈夫、そういうことにしておこう。山を下りるときは、いつかまた来ることを考えていないと、切ないのだ。再会の約束の無い別れには、耐えられない。



爺ヶ岳北峰の直下ぐらいだろうか、遠ざかる鹿島槍を眺めようと振り返る。鹿島槍の両ピークは、いまや見えない。冷池乗越の鞍部に向って信州側からガスが上がってきているのだ。夏のお昼になると、必ずこうなる。前方の種池の鞍部でも同じく、扇沢から垂直に数百m上昇するガス塊は大迫力。おや? 種池小屋の発電機の音が聞こえるよ。眼下には、棒小屋沢源頭から十字峡へのひと筋の水のみち。そういえば小林喜作氏(1875--1923)、表銀座の名付け親で喜作新道の開拓者は、この棒小屋沢で雪崩に遭い亡くなっているのだ。



爺ヶ岳南峰で憩う。梅干と記念撮影。みんないい顔してる。




下りは、早い。すたこら行く。種池の小屋で飲み物を仕入れ、喉に流し込む。Jun氏が手ぬぐいを買ってマジックペンを借りて来た。記念の寄せ書き。このふつか間のことを ぼくは生涯わすれない たしかそう書いた。下山後の段取りを話し合う。Nut's軍曹は夕方のバスと翌日の高尾山という予定の縛りがあるのに、爽やかな笑顔で「松本で温泉と宴会!」と命令。このひと言で、みんなの頭の中は温泉と宴会のことに切り替わる。柏原新道の石畳を踏んで、扇沢へとゆっくりと下る。チャイ団長をつかまえて、秋山の相談をする。ねぇ、また八ツにしましょうよ、去年の赤岳も静かで良かったし... 沢の音がだんだん大きくなる。堰堤の傍らに降り立って、正面にランクルの四駆車が見えた瞬間、下界に戻ったのだと悟った。



松本市内で僕の近所の居酒屋に席を頼み、浅間温泉でひとっ風呂を楽しむ。クルマを置きに行ったカワム氏も合流。湯上がりのぷしゅっという音の替わりに、冷えたジョッキがぶつかる「ゴツッ!」という響きが嬉しい。みんなありがとう。飲む飲む呑む呑む、そして喰らう。wadac氏が日本酒に切り替える。僕も切り替える。河岸を替えて僕の家の茶の間でまた飲む...。早朝、ここはどこだ? と雑魚寝から目覚め、珈琲をいれて目を覚まし、抱擁して別れる。僕はひとり台所へ戻りクッカーを洗う。ブーツも洗って干す。テントとシュラフは2階の手すりに干す。気が付けばこのとき、旅は完全に終わっていた。







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どうもありがとう、こころから。

外遊び彷徨記】チャイさん
てくてく備忘録】wadacさん
nutsclubへようこそ!】nuts軍曹殿
アレもほしい☆コレもほしい☆もっともっとほしい】Jollyさん
雲の上まで行って来ます。】Jun(永遠の槍隊放題)さん
コカゲイズム】カワムさん
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by yabukogi | 2010-09-15 15:19 | 北アルプス・主稜線
2010年 09月 05日

鹿島槍ヶ岳・一日目

2010年8月23日。槍隊放題2010、一日目。



2時間以上も、膝を胸まで持ち上げるような登りが続いている。樹林帯でおおむね木陰を歩けると言うものの、気温は30度を超えているだろう。稜線東側に位置する赤岩尾根、朝の登りでは昇ってくるお日さまが、うまい具合に背中を炙ってくれる。僕は脇にシュリンゲでぶら下げた500ccのボトルに何度水を補充したことか。西股出合で汲んだ2Lはすぐに尽きた。全身の細胞が貯えている水という水が、ぜんぶ出て行く。あとは下界から持って来た1.5Lで稜線まで頑張るのだ。


大冷沢北股本谷脇の流れ込みから汲んだ水は、雪の味がした。稜線方向の右、鹿島槍東尾根の方を見上げれば、アラ沢の頭へ突き上げる雪渓が見えている。そう、赤岩尾根の両側にはまだ雪渓がたっぷり残っている。あぁ、山の水だ。岩清水は味も香りもしないようなイメージがあるかも知れないが、雪渓の末端で汲むような水は、たしかに山の味をまとっている。さっきまで僕の身体の細胞を満たしていた水は、松本市の水道水。この、水道管と蛇口を経て来たまちの水は、汗となってみんな出て行ってしまったわけだ。そこへ、ごくごくと北股の、稜線直下の雪渓を源とする水を流し込んでやる。身体の水が、山の水に入れ替えられる。こうして赤岩尾根を登り上げながら、僕の身体は少しずつ、山の一部となってゆく。

 >> 続きには、汗も涙も!
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by yabukogi | 2010-09-05 09:10 | 北アルプス・主稜線
2009年 11月 19日

初冬の展望

眺めただけのお山の姿で、お茶を濁す。

北アルプスの冠雪は少し遅れ気味だけれど、11月17日の降雪で、いくらか白さを重ねている。

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▲2009年11月19日午前11時の常念岳
高曇りというのだろうか、薄墨を流したような、色彩のない風景である。



昨年いまごろは?
 と過去の写真を眺めたついでに引っ張りだしてきた。以下、お茶請け程度に、どうぞ。

そして続きは...
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by yabukogi | 2009-11-19 11:47 | 里から眺める山
2009年 11月 16日

槍ヶ岳の眺め 09/11/16

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▲2009年11月16日の朝

冬の朝。標高600mほどの松本盆地は、まだ半ば眠っている。昇る太陽の光はなかなか下界まで届かない。一方で稜線では夜明けを迎え、昨日積もった雪がまぶしいのだ。常念岳よりも、奥に聳える槍ヶ岳の穂先はいっそう白いのだ。わけもなく興奮させてくれるではないか!

そして続きは...
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by yabukogi | 2009-11-16 10:08 | 里から眺める山