その男、薮の彼方に消ゆ

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2013年 02月 09日

悪魔のピクルス。ピクルスの悪魔。


山へも出かけず、安曇野の工房と自宅を往復するだけの、穏やかな日々。
夜になると僕は、美味いものを探し、つくり、味わい尽くす。


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青唐辛子のピクルス。悪魔のピクルス。
秋の初め頃に仕込んでおいたものが、たまらないほど美味くなっていた。


でっかい青唐辛子に、ワインビネガー、リンゴ酢、そしてスピリタス。その他、塩、生にんにく、黒胡椒、ローレル。

出来上がったのは、ピクルスの悪魔。そのまま食するには、辛すぎるし、しょっぱいし。




そこで、こんな風に。
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白ワインで蒸し上げたオイスター。そんなにむっちむちじゃないけれど、ぷりぷり。
刻んでオイスターに添え、屋外で冷やしておいた『真澄・あらばしり』とマリアージュ。





昨夜は、大量に買い込んでおいた100円オイルサーディンと....

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トランギアのアルコールストーブを自作ストームクッカーもどきにセット。
ミニトラのパンには、にんにくオイルとサーディン。温める前からすごく良い香りが漂う。


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ぐつぐつ言い出したら、弱火に。あぁ...はやくたべたい。


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悪魔のピクルスを刻んで、青ネギも刻んで。


ほうら、アップで。
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久しぶりにビアを、ラガーをぷしゅっと開けようかと数秒悩んだけれど、安いニッカの井戸水割りで。
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by yabukogi | 2013-02-09 15:35 | 喰い物のこと
2012年 11月 18日

トランギア、ゴトクその後

自作の「ストームクッカーもどき」のゴトクが、最適化を終えて満足できる感じになったのでご報告。

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以前に、トランギアのアルコールストーブ用の風防+五徳を、ストームクッカーもどきの構造で自作した。その際、ナベをホールドするゴトクが暫定仕様であった。アルミの薄板を適当に曲げてナベを乗せていただけなのだ。アルミ板なので熱による劣化が予想され、数回調理を行うと文字通り崩壊の運命を辿る。そこでこのゴトク部分を、スティール、できればステンレスで置き換えられないかあれこれと試作を重ねる。形状、サイズ、あるいは材質にくわえ加工の難易度も検討、結果的には今回の仕様で最適化が叶った。備忘録程度だが整理しておく。





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最終バージョンはこれ。高さ違いの2種類で、304ステンレスの0.4ミリ厚の細板から作成(左奥)、0.8ミリ厚の鉄製(右手前)。元材料は金属加工スクラップだが、ホムセンにある材料でも可能だろう。



2種類あるのは、理由がある。

風防よりも径が大きいナベを使用する場合と、小さいナベを使用する場合で両バージョンが必要になったのだ。僕の場合、野外調理に使用するナベをチョイスする場合、外径120〜130の大きなナベ(ミニトランギア、エヴァニュのチタン/セラミック2など)と、外径95のMLV550ポットのどちらかになることが多い。大きなナベではラーメン(最近はもっぱらマルちゃんの『正麺 豚骨味』)かうどん。小さなナベでは湯沸かししてFDスープやミニパスタ。となると風防も両バージョンを作成してやれば良いのだが、この手間を惜しんでゴトクで使い分けることにした。


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たとえば写真のケトルなど、風防よりも大きな鍋を乗せる場合、ナベ底が高い方を使用する。5ミリから7ミリ程度すき間を空けて、燃焼ガスの出口を作ってやるのだ。出口が広すぎると風の吹き込みに負けてしまい、炎が煽られてしまう。


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一方、SUS304のものは、風防上縁のツラから約3ミリ低い位置にナベ底を保持する仕様。MLVの550mlポットに合わせてある。ポットの外径が94ミリ、一方の風防の開口径が110ミリなので、ポット底を下げてやらないと風の影響を強く受けてしまうからだ。


ずっと昔、自動車マフラーF社の設計技術者に聞いた話。エンジンから出てくるエグゾースト(排気ガス)をどんな形状のパイプで取り回しキャタライザ/サイレンサに送るか、出口をどうするか、えらく悩むそうだ。ヌケが良すぎるとパワーもヌケるし、悪くてもピークが取れない、このバランスこそがエンジニアの仕事領域なのだとか。同じことで、アルコールストーブの燃焼も、吸気と排気の微妙なバランスに妙があるのだろう。僕にはとても極められないが、屋外の「風」という定数化できない条件下で湯沸かし、炊飯、ラーメン、うどんと燃焼実験を重ねるしかないのだろう。



ゴトクは3個あれば仕事をしてくれる。が、僕のような粗忽者(まぬけなおっちょこちょい)はこれを紛失して困ることもあるだろう。なので常時4〜5個を携行している。携行と言ってもトランギアのストーブの中が定位置。予備の分は放り込んだままアルコール漬けだ。
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こんな自作遊びを楽しませてくれる空間。

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火の取り扱いには、十分ご注意を。僕は消火器を置いている。
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by yabukogi | 2012-11-18 02:37 | 山の道具のこと
2012年 10月 22日

サーディン、愛してる。

以前に、サバ缶のことを書いた。

正しくは、サバ缶への想い、について。でも誤解しないで。サバだけじゃない。僕は光り物なら何でも好きなんだ。そう、イワシだって。

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オイル漬け、いいね。千円近いやつもあるけど、これは100円ぐらいのをまとめ買いしたんだ。

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ペルー産のイワシ。つまりははるか東太平洋で、つめたいフンボルト海流が育んだ、海の恵みだ。

昨シーズンの冬。凍てつく上高地にて吊り尾根颪(おろし)の寒風に吹かれながら、これを味わったんだ。メンバーはみんな半端じゃないセレブでグルメな人たちだったけれど、こいつにはガツンとやられたらしい。みんなその夜、テントの中でうわごとのように「サーディーン!」って叫んでたから。


僕の食べ方は、こうなんだ。
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缶を開けてストーブの上に載せる。ガスじゃダメだよ、火力が強すぎる。こんな時は、アルコールストーブに限る。本当はさんぽ師匠のカーボンフェルトストーブを使いたいのだけれど、魚臭い油にまみれてしまう。


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ニンニクをスライス。乾燥ニンニクより、ぜったい生のやつがいい。国産でね。


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油がふつふつ騒ぎ出すと、吹きこぼれる。弱火にしよう。そう、だからアルコールストーブなんだ。


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ペッパーソースは、たっぷり。自家製のペッパーソースを仕込んであるんだけれど、この日はジンを飲み過ぎてて、自家製のことを忘れていた。昼間のジンは、効くんだ。


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ぐつぐつ言ってる。たまらないね。このとき、ねこが、僕の背後に座って様子をうかがっていた。



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ウマー。ポッカレモンを数滴垂らすと、香りもいい。

小さな缶詰。ニンニクの欠片。ペッパーソース。これだけあれば、テント場で飲む酒が、いっそう美味くなる。
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by yabukogi | 2012-10-22 00:00 | 喰い物のこと
2012年 09月 02日

さらば夏の輝きよ。

裏の田んぼの片隅で、花火だ。


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この夏、9歳になった少年は、山に、人工壁に、川にも遊んだ。北アの稜線には連れて行ってもらえなかったが、手応えのようなものを何か掴めただろうか?


チャッカマンがガス切れだった。

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火種にトランギアのアルコールストーブ。ストームクッカーと同じような構造の風防を試作してみたのだが、これに火力調節蓋を載せて「とろ火」にしてある。


遠雷を聞きながら、やがて花火が終わった。




すぐ近くにある柳の大木の様子を窺ってみた。
ここには、7月の中頃からおびただしい数のカブトムシやカナブンたちが、樹液を求めて集まってくるのだ。
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カブトムシの姿はもう無かった。群れていたカナブンもクワガタも。でもコクワガタだろう、独りさびしく樹液を吸っていた野郎がLEDの灯りに驚いたようだ。

 おい、嫁さんは見つかったかい?



虫たちの季節も、終わりを告げる。さらば、夏の輝きよ。
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by yabukogi | 2012-09-02 08:06 | 書くまでもないこと
2012年 07月 14日

まめごはん


近所の農家から、えんどう豆をもらった。

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この辺じゃ、よくあること。野菜は、手みやげなのだ。

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付け合わせや彩りには豆を良く使っていたけれど、この時は、まめごはんを炊こう、そう思った。


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うちの豆どもが手伝ってくれて、豆はさやから出され、安曇野コシヒカリが浸された鍋に放り込まれた。ここに塩を少し。



鍋は、いつものごとくDUGのPOT II、火器はトランギアのアルコールストーブ。ぶくぶくと吹いたら蓋に石の重りを載せ、トランギアを弱火に。タイマーが12分を鳴らす前に、キッチンには良い香りが漂っている。豆どもは、もう待てないようだ。



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炊きあがり、蒸らし終わり、まめごはんはあっという間に、ふたりと僕の胃袋に消えた。盛った写真を撮る余裕もなかった。



豆の味わい香りを楽しみながら、幼少の頃の記憶を辿っていた。

僕は九州北部の山奥で育てられた。峰峰は花崗岩で、渓谷は真白き岩の間を流れていた。谷底の崖っぷちのようなところに建てられたその家には、庭と言うべきスペースなんか無い。流れのほとりに降りて行く傾斜のわずかな段に、いくつかの狭い畑があるだけだった。

そこで穫れたえんどうを、婆ちゃんは、豆ご飯にしてくれた。僕の祖母じゃない。ある婆ちゃんだ。




ずっと以前に泉下へ行ってしまった婆ちゃん。僕が三途の川を徒渉するとき、向こう岸で、おふくろや祖父母と並んで、僕のことを迎えてくれるに違いない。おふくろ、じじばば、そしてこの婆ちゃん、それぞれハグし終えたら婆ちゃんに豆ご飯のお礼を言おう。たぶん、生きている間にはちゃんと言えなかったと思うから。
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by yabukogi | 2012-07-14 11:10 | 書くまでもないこと
2012年 01月 10日

めしトラセット2012

屋外でうどんを作って食する、というシンプルなことを愉しんでいる。


僕はこの冬の初めから、うどんの道を、しずかに、そしてひたむきに歩いている。うどんの道、とはきちんとした定義がある。屋外に出て、それもできるだけ標高の高い所へ出かける。ハイキングでもクライミングでもいい。そして稜線とかテラスとか雪洞とかにケツを据え、ミニトランギアで美味しいうどんを作って食する、というものだ。ここでBLACKLITEでもよくね? とか、そういう突っ込みは無しだ。とりあえずミニトラと決まっているのだから。


トランギアのアルコールストーブを持ち出すとき、風防をどうしよう? ゴトクをどうしよう? と悩みは尽きず、また多くの先人たちがその答えを与えてくれている。突き詰めればストームクッカーが最終解なのだろうけれど、あの大きさを装備に加える勇気が、僕にはない。これについては、大先輩が【ロッキーカップ】という答えをくれた。


うむ。これか。
しかし、チタンに穴開けすることを想像しただけで、鬱になる。そこで、僕はこうすることに決めた。


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左が燃料と小物のポーチ(100均)、右がクッカーとストーブ。収納袋は、GSIケトルのモノがちょうど良く転用している。


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お、いろいろ出てきたぞ。


左の、針金状の脚がベース。トランギアの点火はイムコのヒットに限る。オピネルの#6炭素鋼は山へは常に。MSRのハンドル。アルコール燃料は大洋製薬エタノール5%ブレンドを100均の化粧水入れに。チューと出せるのが良いのだ。

右はミニトラの鍋にネスティングボウル(マグ)と風防、ストーブ本体は薄いシリコンシートに包んで。右奥のシリコンマットは雪の上で沈み込まぬように。手前はマグの蓋とミニトラのパン、サジ類。


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針金のベースを組み立て、風防を載せる。これはエバニューの古いアルミコッヘルを加工したもの。このアルミコッヘルを選んだ理由は、GSIのネスティングボウルにぴったりと、径も高さもちょうど良く収まるため。ここへ...


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ストーブをインサート、ではなくインストール。パチンとはまってしっかり固定される。さらにアルミ板を曲げて作ったゴトクをセット。


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このゴトクは、まだ最適化を終えていない。できればハガネから作りたいのだが、この作業がヘビーで中断している。現ver.はやがて劣化してしまうだろうが、しばらくはこれで。

【追記】
後日、このゴトク部分を大幅に改良、完全に満足できる仕様とした。詳細はこちらに


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ここにミニトラの鍋を載せると、こうなる。すき間が7ミリ。これ以上でもこれ以下でも、風の影響をモロに受けたり酸欠になったりと、難しいものだ。理想を言えば、鍋の外側に、また鍋底よりも高い位置まで風防があるべきなのだが、「ミニトラの制約」という枠内で考えているため致し方ない。これが、僕の『めしトラセット2012』。


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火力調節も可能。炊飯でとろ火にしたい時、水炊きをゆっくり味わうとき、これで大丈夫。

目論見としては、安定感が欲しかったのだ。うどんの調理では、鍋を揺するようなこともある。置きっぱなしではない。今回の構成というか、一応はこれをシステムと捉えると、物理的な安定感はすこぶるよろしい。ミニトラのパンでオムレツを作ってみたが、五徳の上でパンを踊らせるような動作でも問題は感じられなかった。

重量は、
ミニトラ鍋+同パン+ネスティングのマグ、
風防+ストーブ本体+アルミハンドル、
金串ベース+ゴトク、ここまでで453.7g。
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ライターやカトラリ、燃料は別。トランギアTR-B25を含んでいる上に鍋・風防もアルミだから、このくらいにはなってしまう。




1月9日17時、気温4度で400ccの水を沸かしてみた。水温は、薄氷が張っている1度以下。標高640mぐらい、風のある屋外。ストーブ点火から3分ほど待って、鍋を載せる。鍋はもちろんミニトラ。蓋は載せるだけ。6分55秒で蓋がごとごと踊りだし、沸騰していた。水温を考えればまあまあか。






それではお約束のを。

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天ぷらは現地調理ではなく、前日のもの。不味くはなかったが、やはり揚げたてのカリカリが失われていて、少し泣きたくなった。それにピンぼけ。
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by yabukogi | 2012-01-10 13:12 | 山の道具のこと
2011年 12月 15日

その風防、ミニトラ専用。

アルコールストーブを使用する際の風防には、空き缶をリサイクルしている。


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トランギア(TR-B25)を使い始めた頃は何も解らず、さまざまな素材や形状を試してみた。キッチンのガス台を囲むアルミのアレを切ったりもしてみた。そんなあるとき、【新・放置民が行く】のいのうえさんから『黒風防』なるモノを教えていただいたのだけれど、入手法が解らない。そこで僕は、空き缶に手を出したのだ。


500mlのビア缶を切り開いてやると、寸法にして大体205mm x 125mmぐらいのシート素材を取り出せる。こいつを2枚接合し、高さをカットしてやるとソロ用のクッカーにちょうど良いサイズが採れるのだ。どんなクッカー/ストーブ+ゴトクを使用するか等に左右されるが、この205x125を2枚使えばだいたい間に合う。


サイズの制約について少し書くと、まず、クッカーの中に収納してやるためには高さがクッカーとほぼ等しくなる(後にこの考え方は覆される)。しかしストーブの炎の高さを考慮すれば、風防自体にも高さが欲しい。この点、EPIの【バックパッカーズクッカーS】等なら何も問題が無いが、背の低いMLV550mlチタンマグ【Ti-550 CookPot】に格納するには高さを70しか持てない。実際、僕自身も金麦の缶から65mm高で使用している時期があった


風防の長さだが、アルミ缶のシート(ロール)をつないだ「巻物」状である。前述の2枚接合だとロール長400ミリ、クリップなどで留めるための重ね合わせもあるが、ぐるりと径120ミリぐらいの設置サイズとなる。ソロクッカーの多くが110ガス缶サイズ(径90ミリ)に合わせてあることが多いが、径120ミリの場合、クッカーと風防の間に10〜15ミリぐらいのすき間というか出口を持てる訳だ。このすき間の値に僕は客観的知見を持たないのだが、風防のアルミ素材が焼かれない距離であること、同時に適切なチムニー効果を得るためには、さらに突き詰めて行くべきことがらかも知れない。


とにかく、アルミ缶2本でアルコールストーブ用の風防が出来上がる。お尋ねもあったので書いておくと、カットしたアルミシートの接合にはアルミテープを使用する。これにはキッチン用など種々有るが、クルマのマフラー補修用の専用テープが耐熱仕様となっており、高価ではあるがこれに限る。接合箇所は幅10〜20ミリを重ねとし、裏表両面にアルミテープを貼る。このとき、高価なアルミテープである。幅を半分にカットしてから節約して使う。

【重要事項】
飲料によっては、缶の内部に樹脂系のコーティングがなされている。一部の缶チューハイなどで確認済み。これは炎に炙られて溶けたり燃えたりガス吹いたり、好ましくない。加工なさる時にご確認あれ。また革手袋着用をお忘れなく。




次に、風防下部にエアインテイクを設ける。エアインテイクといっても事務用の穴空けパンチでぱちんぱちんと開ける作業である。ぱちんぱちんとやる穴の数については使用者の工夫が求められる。僕はテーブルなどの平滑面で使用する場合と、小石岩塊の不整地で使用する場合とでは異なる設定が必要であると考えている。風防下端が接する形状によって結果的に生じるすき間があるからだ。


最後に塗装する。塗装には、煙突や薪ストーブに使われる耐熱スプレーを使用する。摂氏600度まで、と謳われているので炎の温度にはやや足りないが、これを吹いておくか否かで耐久性が全然違う。僕も当初は無塗装だったため2〜3回ぐらい使用すると熱でぺらぺらに劣化していたが、耐熱スプレーを吹いてやることでこの劣化もあまり見られなくなった。まあ程度の問題でしかないのだが。ついでに書いておくと、耐熱スプレーには銀と黒が有るようだが、この黒、つや消しのマットブラックで、仕上り感が半端ない。風防は使っているうちに傷や擦った後ががしがし入って来るが、未使用状態の美しさは萌え死ぬレベルだ。


塗装する際には、両端に近いエアインテクの穴を活用する。両端の穴で伸ばしてフックなどで屋外に吊るし、晴れた日に行う。僕は庭の黒松の枝を使用している。このとき錘りを下げておかないとくるくる巻いてしまう。この錘りには、親父の形見のハーケンがちょうど良い。たぶん30年ぐらい前、前穂の東壁のどこかに叩き込まれたであろう時の傷跡なんかが風に揺れているのは、親父への供養だ。






信じられないことに、ここまではイントロダクションですら無い。


ある日のこと。僕に、ひょいと無造作に、まるで煙草の一本をくれるかの如き自然な仕草で、ミニトラをくれた人が居るのだ。まさに信じられることではない。


僕は小躍りして、帰宅してすぐに弄くりはじめた。ストーブはもちろんTR-B25。スタンドはどうする? 風防どうする? そういうことを何時間も、いや翌日も翌々日も。


上に書いたように、僕はMLV550mlチタンマグなど、径100ミリぐらいのソロクッカーを使うことが多かったのだ。このサイズのクッカーだと、湯沸かしやショートパスタの調理がほとんどで、マルタイの棒ラーメン調理にはSPの極を持ち出す。生米を炊きたい時にはDUG POT-IIがある。つまり、僕のこれまでの食スタイルでは何も不自由が無かったのだ。ある場合を除いて。


ある場合とは、うどんだ。


なぜかこの冬のテーマがうどんと定まってしまって、うどんを美味しく食べるためのギアやら食材やらアイディアを整える必要があった。そこで、その人は、ミニトラをぽんとくれたのだ。


さて。ミニトランギア(TR-28T)に合わせた風防が無い。作ろう。

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従来、風防はクッカーの内部にぐるりと(立てて)入るものだと思い込んでいた。径の小さなソロクッカーだと、当然そうなる。しかし今度はミニトラですよ奥さん。(写真のストーブが古いのは手持ちのやつだから。おニュウは未使用のまま永久保存だ)



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高さは100ミリとした。スタンドはもちろん我らがストーブマイスターSanpo師匠の手になる【放置台】。非売品ながらTR-B25とのマリアージュ、これ以上のものはない。


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ジャイアントクリップ込みの重量は30.6g。なにせミニトラ仕様である。クッカーの径が違うのだ。その違いはもちろん、うどんである。径の小さなソロクッカーでは、鍋焼きスタイルでうどんを美味しく楽しく食せないからである。このミニトラ仕様ではスクリーンのワイズ設定を500ミリ、缶を3本分使用しているのだ。


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ミニトラを、こうしてやる。こうしてやる。えぇい! 思い知ったか。












おっといけない。週末の上高地キャンプのことを書き忘れた。
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大変に楽しゅうございました。詳しくは、また。
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by yabukogi | 2011-12-15 12:12 | 山の道具のこと
2011年 05月 28日

トランギア野外珈琲セット2011春

このところ持ち歩いている、トランギアのアルコールストーブを組み込んだ珈琲セット。


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アルコール燃料約3オンスとコーヒ−2杯分の粉を込みで、実測631.1g。


内訳を測ってみた。
.............................................................
MLVファクトリーチタンポット550=87.5g
SPチタンマグ300ml=86.5g
新潟精機製ボトル+アルコール燃料50ml=53.8g
トランギアTR-B25燃料入り=125.1g
自作ステンレスゴトク(上部構造)=26.2g
自作ステンレススタンド(下部構造)=21.2g
空き缶製自作風防=30.2g
クリップ2個=2.7g
SPチタンカトラリ=31.9g
オピネル炭素鋼8番=28.3g
いのうえさんから頂いたイムコ=12.8g
自作の珈琲ドリッパー&ホルダー=8.6g
珈琲フィルター数枚=3.3g
丸タッパ入り珈琲粉=27.3g
ダイソー・シリコンマット=31.5g
ダイソーのランチケース=59.8g
.............................................................
計算上の合計=636.7g



食事をする訳でもないのにカトラリがあったり、オピネルのナイフが混じっていたりする。この辺は邪魔と言えば邪魔だが、コンビニでカップラーメンを買って公園で湯沸かしし、食することもある。まあ遊びなのだからご容赦いただく。

また、実際にはこれだけでは不十分で、水のボトル、珈琲かすなどを処理するゴミ袋を携行しなくてはならん。



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100均のランチケースに押し込んである。なにか、軽くて良いポーチはないものか...




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中身をぶちまけたところ。左手前のアルミ缶製の風防が2ピースに別れている。これがスマートじゃないので、さらに工夫が必要。

自作の珈琲ドリッパーをセットしてあるが、これは以前に書いた記事をご参照ありたし。




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ミニマムで使用する場合、ゴトクをトランギアのストーブにかぶせる格好で使用する。これはあくまでテーブルなどの平らな面があり、かつ湯沸かしするだけ、というような場合が多い。




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GWに八ヶ岳行者小屋で幕営した折りにはこのスタイル。トライアングルの「スタンド」でストーブをハグし、さらにゴトクをホールドしている。スタンド、ゴトクともに魚に打つ金串を折り曲げて加工、接合部は内径3ミリのアルミパイプをペンチバイス(万力)でじわりと潰したチューブに2本の金串を通している。

大げさな、何というかメカメカしくてみっともないのだが、僕はむかしむかし超合金の玩具を買って貰えなかったので、こうして埋め合わせているのだ。この状態の安定感は、たとえ不整地や雪の上であっても抜群で、土の上で、3リットル入るでかいヤカンを満たして乗せても大丈夫だった。

自作風防が2ピースに別れてしまっていてみっともない。1枚にしたいところだが、風防自体に高さを持たせればポットに丸めて収納できない。また1枚だけでは下からの風の吹き込みが強くていけない。やむを得ず、というところ。まだまだ改良しなくては。

この風防は、アルミ缶をつないで加工したもの。500ml缶2本で、必要としているスクリーンのロール分にはちょうど良い。つなぎ目はアルミテープ。可能ならば高価だが耐熱アルミテープかマフラー補修用テープを使う。さらに、風防の上縁は特に、直接炎に炙られるとアルミが変化してぺらぺらになってしまうので、全体を耐熱スプレーで処理してある。薄く3回ぐらい、重ね吹きが良いだろう。スプレーしない「むき身」では、1回の燃焼でぺらぺら化するが、さすが600度までを謳うスプレー、アルミが熱に耐えてくれる。それでも数回使用すると変形してしまう場合があるので、ある程度は消耗するものだと割り切る。

また、ぺらぺら化対策のひとつとして、ホームセンターで「ステンレステープ」という代物を見たことがあるので、これも試してみたい。

なお、金属の加工には、僕は必ず革手袋を着用している。ご留意ありたい。




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燃焼風景。トライアングル状のスタンドのコーナーを跨ぐように風防がセットされている。これでチムニー効果は得られているようで、屋外ならば赤い炎は見られない。




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この状態で使用すると、消火キャップを載せることが出来る。あちちあちちと叫びながら風防を外したり、というところが無様ではあるけれど。
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by yabukogi | 2011-05-28 13:56 | 山の道具のこと
2011年 05月 24日

芋と鶏の炊込み飯

めしと具をあれこれ炊込んでみると、酒の肴になる。


ポットひとつで簡単に作れるならば山の飯にもよろしかろうと、僕なりに工夫を重ねてきた。フリーズドライの「かに汁」を具の代わりにしてみたり、魚肉ソーセージをカレーやキムチと炊込んだり。他にも記事にはしていないけれど、ワカメやツナ缶、塩エンドウ、あるいは味噌で焦がした蕎麦の実など、それはもうめくるめく味わいのハー&モニーを、小さなソロクッカーの中で奏で続けてきたのだ。


未着手の課題があった。芋である。芋を上手く使えないか思案していたのだ。先人たちの工夫はどうだろうと男の料理系の情報源を漁る。やがて辿り着いたブログは【バックパッカーの旅日記】という山歩き&食べ歩きの記録blog。そこで展開されていた『サツマイモと鶏肉の炊き込みご飯』という記事に、僕は膝を打つ思いであった。




芋を米に炊込んで、それぞれの甘みや旨味は堪能できるのだろうが、芋の味わいと米の香ばしさをつなぐ「味のブリッジ」の選択に迷っていたのだ。米と芋だけではもさもさ、ぼそぼそした単調な食感は否めない。できればジューシーでやや脂身系の食材を絡めることによって、味わいも食感も相乗的に高めてやる必要がある。小海老か? とも考えたが、どうも違う。悪くないのだが脂のコクが期待できない上、味覚のレンジが広くなり過ぎてまとまりに欠けるように思える。このように悩んでいたら、幸運にもバックパッカー氏から「鶏肉」という解を頂いたのだ。





僕の場合、味付けは、塩のみとした。素材の持ち味をどこまで引き出せるだろうか。

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材料は、安曇野コシヒカリの無洗米一合。小振り100gほどのサツマイモ、品種はベニマサリであろう。鶏肉は国産の一般モモ肉を160g、地鶏ではない。塩は粗塩ではなく、いわゆる食塩。

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サツマイモは大きめの賽ころ大にカットして流水に放つ。灰汁を流すのだ。

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鶏肉もごく小さめにカットして塩で揉む。そのまま焼鳥にするには塩っぱいだろう、というぐらいを揉む。これが溶け出した脂と合わさって飯粒を、芋をつつみ彩るのだ。

無洗米は、具を考慮して多めの300ccの水に一時間浸す。ポットはDUGのPOTIIを使用。

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これらをポットに投じ、トランギアのアルコールストーブに点火、載せる。沸騰を確認したらスプーンで軽く底から混ぜ、蓋に重しを乗せて12分、弱火を保つ。


12分を過ぎたがまだじゅうじゅう吹きこぼしている。水が多かったようだ。火から降ろさず、さらに2分ほど観察すると、水分が飛んでじぃという音がナベ底から響く。同時に限りなく好ましい香ばしさが、僕の鼻孔を襲う。あぁ... タケータ!





15分、放置する。中を覗きたいが、しんぼうを重ねる。

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開ける。混ぜる。盛る。

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いただく。





美味い。

これは、初夏ならば雨の宵、鰹やらネマガリタケやら川魚やら、そういった季節の素材で酒を愉しんだあとを、しみじみと締めるにふさわしい炊込みである。そもそも稜線での食事なら、生米を炊くまでもあるまい。生米を使うことの多い沢の旅でも、担ぎ上げた芋ではなく沢筋の素材だろう。だから本稿は、山のめしではなく家の飯としてとらまえる。下界のキャンプでも、こういう炊込みご飯がよろこばれることは、まちがいない。



しかし...。芋という素材も、奥が深いものだ。
次回は安曇野産コシヒカリの玄米、芋はベニコマチまたはアヤコマチが手に入れば理想である。さらに信州軍鶏のせせり肉でこれをこしらえたら...。あぁ... また、ごくりと喉が鳴るではないか。
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by yabukogi | 2011-05-24 09:34 | 喰い物のこと
2011年 05月 10日

魚肉ソーセージのキムチ味炊込みご飯

さあ、飯だ。

今日は【魚肉ソーセージのキムチ味炊込みご飯】だ。

材料と道具を揃えよう。
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火器はトランギア。
ナベはDUGのPot-II。
このナベは毎朝二合の飯を炊くために、台所に置かれてる。
もう、山道具じゃないのだ。

米は、無洗米の二合を500ccの水に浸しておいたもの。
吸わせておいて一度水を切ると、二合で100cc分を吸っている。
だから炊く時は、別に400ccの水で良い。
イメージとしては、出かける前に水に浸しておいてザルで水切り、
ジップ袋かなにかで携行する感じだろうか。
沢とかテン場だったら、その場で水に浸すのだろう。


左上がストーブとアルコール燃料、燃料は2オンス近くを消費。
魚肉ソーセージはお好みで。
小さな容器は、桃屋の【キムチの素】。
日本フリーズドライ(株)の【豚キムチスープ】をひと袋。
プラス、青菜系の混ぜご飯のもと、乾燥小エビ、刻み海苔。
刻み海苔はパスタソースの「たらこ」についてるやつ。

ナルゲンに水400cc、ナベと米。

 ◆◇◆

魚肉ソーセージとキムチのマリアージュを発見したのは、偶然。

ある昼下がり、家でランチをこしらえていて、見つけたのだ。
僕にとって至福のランチは、もちろん豚骨。
トッピングにモヤシを茹でたりにんにくを揚げたり、してた。
ふと、動物性タンパク質が何かないか探したら、魚肉のソーセージが。

こいつを切るとき、理由もなく辛いよね。
包丁入れながら思わず「あうぅ...」とか声が出てしまう。
とにかく、魚肉ソーセージをフライパンで炒めながら、
偶然にキムチを入れようという展開になる。
キムチといっても前述のように、桃屋【キムチの素】なのだけれど。
こうしたわけで、この日のランチは具がテンコモリのマルタイ、
ただしスープはグリコ社のサードパーティー製豚骨スープ。



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....なぜか、ヴィジュアルにすると、滑稽でしかない。
左側の具材が、キムチの素で炒めた魚肉ソー、これが、
「はうっぅわうっ」という嗚咽を堪えきれぬ美味さだったのだ。


脱線しかけたのだが、これが今回のテーマの伏線になる。

 ◆◇◆

とにかく具材と米を、全部ナベの中に放り込む。
キムチの素もひとさじ、加える。
水を注いで、火にかける。

DUGのPot-IIをTR-B25に乗せて飯を炊く時は、
強火数分で沸騰、ナベのふたに重しを乗せて弱火にし、12分。
これで美味い飯が炊けるのだ。



炊けた。
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味が薄かったのでトッピングに、キムチの素を垂らす。

うむむむ。
激しく美味いのだが、期待値を超えてくれない。
期待通りでしかない。


噛み締め、咀嚼しながら、刻み海苔をどうしようか?
などと想念がよぎる。

期待値を超える美味さだと、こういう雑念が起きないのだが...。





豁然と、黄色い円形の図形が脳裏に浮かび、留まる。
そうか! これであったか。

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魚肉ソーセージのキムチ味炊込みご飯、
仕上は玉子の黄身をまとって。




(追記:2011/05/22)
作り直してみた。乾燥野菜系の具、ならびに乾燥小えびは、使わない方が良かった。具を魚肉ソーセージのみとすることで余計な食感がなくなり、いっそうの美味しさであったことをお伝えしておきたい。
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by yabukogi | 2011-05-10 17:14 | One Pot Cooking