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2013年 02月 17日

影法師に会う

半日の空いた時間を、裏山に彷徨う。


林道にはトレースが無かった。脛までの雪をきゅうきゅう鳴らしながら、ゆっくりと歩く。

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無言で歩く時間。あまり意味の無い考え事が、いくつもいくつも去来する。やがて僕自身が、この地上を去来するひとかけらの塵でしかないことに気付かされ、苦笑。

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空は青い。その色彩には、意味があるのだ。

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雪原には無数の鹿の足跡。そういえば、この山みちに入るところには、鹿の防護策が張られていた。増え続ける鹿たちにも、きっと意味がある。



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HanWagのスーパーフリクション、モンベルのメリノだかのソックス、ユニクロのボクサーショーツ、ミズノのアンダーウエア上下、ストームゴージュアルパインパンツ、モンベルのゲイター、Marmotのハーフジップのシャツ、NorthFaceのフリースのベスト、Berghausのソフトシェル。書いても意味が無いが、寒くもない。



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雪の上に、もうひとりのおのれが居た。
お前に、何かの意味があるのか?

いくら問うても、影法師は何も答えない。





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ワカンを携えてきたが、最後まで背中に背負ったままだった。



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今日は名前の無いこの小ピークで、おしまい。
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by yabukogi | 2013-02-17 08:21 | ぶらぶらと歩くこと
2013年 01月 02日

烈風戸谷峰

元日深夜、エスパースの中で眼を覚ます。僕の部屋は寒くて、冬はこのテントの中で寝ているのだ。島々谷の一角にある或る尾根に出かけよう、そう考えてパッキングも済ませてあったが、部屋の中は闇の底。「もうひと眠り...」とまたまぶたを閉じた。


東の窓が明るみ、1月2日の朝が訪れた。僕はテントを抜け出し、ストームゴージュを履き、ソフトシェルを羽織り、バラクラバとグローブを身に着け、パッキングの済んだパックを担いだだけでカブに股がった。実際には茶漬けをすすり歯磨きとトイレも済ませて。


行き先は、島々谷ではなかった。すぐ裏山の、戸谷峰。

戸谷峰は美ヶ原の北側の山群のひとつで、松本市街地からその大きな姿が望まれる。目立つ割に静かで篤志家たちに知られる程度の里山だったが、松本市が【美ヶ原高原ロングトレイル】として遊歩道を整備し始めてから、いくらか歩く人が増えたようだ。トレイル整備に伴ってコースが付け替えられたらしい、これが気になって新しいコースを辿ってみよう。


従来は国道254の「野間沢橋」という橋のたもとの鉄バシゴから、みちが付けられていた。中部電力の送電線巡視路を利用して赤松の尾根を登り、稜線のコルに立つ鉄塔からわずかな距離で山頂に至る。

一方、新しい道は500mほど松本市街地寄りの「三才山ドライブイン」の真横に標識が建てられている。0815時、路肩の草地に原付バイクを押し込み、高度計をセットして歩きはじめる。



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新しい道は、どうやら古い山仕事の作業道を辿っているようだ。土留めに積まれた石、埋もれた丸太など単年度に整備されたものとは思われない丁寧さ。そのうえに長く使われ、営々たる歴史の重みのようなものを感じさせる。



みちは、戸谷峰山頂から真南に伸びる小さな尾根に絡んでいるいるようだ。気温は0度で温かいのだが、風がとにかく強い。頭上から折れた枝が落ちてくるぐらい、強い。森が、山が揺さぶられている。そんな風が唸る森の底に、真新しい道標が違和感を覚えさせるほど唐突に出迎える。
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雪は少ない。暮れの29日の積雪の直後、激しい雨に変わって半ば融けてしまったのだ。そこへ大晦日の寒気が入ってクラストしている。
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森の上を凄い風が疾ってゆく。葉を落とした広葉樹の森は風を遮ってはくれず、僕の身体は時折持ち上げられたり、押し倒されそうになったり。




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標高1500m、山頂下の斜面。鹿道が走る。



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平坦に見えるけど、斜度は40度近くある。山頂方向の空が青く抜けてきた。ジグザグとトレースの無い斜面に高度を稼ぐ。



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東西に伸びる稜線の一角に出た。西側、四賀金山から整備されたコースを合わせる。



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金山方向。かなり急なアップダウン。数年前にここを降りて稲倉峠まで歩き通したことを思い出す。



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0934時、山頂にて。1時間20分で到達。他のハイカーの姿は無かった。風が強く、雪に刺したポールが吹っ飛ばされるほど。



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安曇野方面には雪雲。北アはもの凄い荒れ模様。島々谷のあの尾根に向かっていたら、ここ以上の風に叩かれたことだろう。山頂でのラーメン、と用意はしてきたが、とてもとても無理。ラーメンがナベごと飛んで行ってしまう。



山頂には1分も居なかった。東側の急斜面を降りて、野間沢橋への下山路をたどる。



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靴はハンワグのSUPER FRICTION GTX。ここまでのキックステップも最高。寒さを感じる瞬間も無く最高。というか、靴を履いている、石ころの上を歩いている、クラストした雪に蹴り込む、という神経質な感覚はない。実際には丁寧に雪面をプレスしているのだけれど、感覚的には無造作に足を出すだけで良かった。もう最高。もう一足買っておきたいぐらい、最高。



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アトラスと僕が名付けた朴の樹に挨拶する。5月まで、彼は眠り続ける。ここから送電線巡視路をくだり、野間沢橋に降りたのは1030時。誰にも会わず、風の歌を聴いただけだった。



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三才山集落にある御射神社さんの秋宮に詣でる。浅間温泉に鎮座まします神さまの、秋から冬にかけてのお社だ。
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柏手を打ってこうべを垂れ、この一年の山遊びの無事を、祈った。




マップはヤマレコのページに。
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by yabukogi | 2013-01-02 23:46 | 筑摩山地・美ヶ原
2011年 03月 09日

中央分水嶺・三峰山

雪遊びに出かけた。



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カメラを持って行かなかったので記事にはしないつもりだったけど、同行の『コカゲイズム』のにゃんこ先生がとっても愉快な写真を送ってくれたので、ここにご紹介しておこう。もうひとつ、別な思いもある。もとより安易に、積雪期の中級山岳に遊ぶことをお奨めする訳ではないが、人気集中で混み合う入笠山や北八ヶ岳すぐ近くに、こんな静かな場所があることも知っていただきたいのだ。トレースの無い雪尾根。ノートラックの広大な斜面。小鳥の声だけが響く静寂の森。そこは国道脇の駐車スペースからわずかなハイクで届く、標高1,800m程度の高原の一角なのだ。



2011年3月8日。
外遊び彷徨記』のチャイさんが、ワカン歩行を試したいとおっしゃる。それなら出かけようと、前述のにゃんこ先生と三人、諏訪湖畔から中山道をわずかに走って、和田峠に向った。トンネルを抜けた峠の先にビーナスラインの入り口がある。いまは除雪も入らず、GW前までは雪に埋もれたまま。僕らは空き地にクルマを残し、装備を整えて歩きはじめる。最初から、ワカンを履く。午前07時03分。気温マイナス7度。轍もトレースも無い車道をラッセル。新雪がたっぷりと乗って、このあたりでも膝ぐらいだった。やがて「農の駅」があるスキー場跡地に至る。08時少し前。車道を離れ、かつてゲレンデだった雪の斜面のへりを行く。行く手には緩やかな鞍部があって、そこは中山道の「古峠」。駐車場でも挨拶を交わしたスノーシューの御仁が峠におられた。この先も前後して進みましょういうことになるが、かなりの分、ラッセルのご負担をおかけしてしまった...。古峠までは曇り・無風だったけれど、峠から稜線伝いに北進すると、西からの強い風に叩かれるようになる。ジャケットを羽織り、バラクラバを被る。稜線は緩やかにアップダウンするが、ワカン履きにポールで進む。この日の目的地は、三峰山(1,887.4m)経由、二ッ山(1,826.4m)。

> 雪!風! 豚汁!
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by yabukogi | 2011-03-09 08:51 | 筑摩山地・美ヶ原
2011年 01月 02日

樹霜咲く戸谷峰

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正月二日は遠見尾根をゆるゆる歩いて、鹿島槍北壁でも眺めて来ようかとたくらんでいたが、元日の祝い酒が過ぎたようだ。出発予定の時刻になってもシュラフから出る気になれず、だらけたまどろみにしがみついている。いま運転したら酒気帯びだよと理由をつけて、さらに数時間を眠る。

朝も遅く目覚めたらすっかり酒は抜けたようだ。飲み直そうと酒肴の準備をはじめる。これがその男の新年なのだ。風雪叩き付ける稜線でもない、ダイヤモンド・ダスト煌めく空の下にいるのではない、ぬくぬくとコタツから離れられないねこと同じである。

しかしこれでいいのか。数分だけ自問自答を重ね、封を切りかけた【真澄あらばしり】を冷蔵庫にもどす。パッキングは昨夜に済ませてある。着替えと、ヤカンからテルモスに湯を注ぐだけで出かけられる。とはいえ09時から北ア方面に向えるはずもなく、裏山へとカブを走らせる。

>>その先の、雪へ!
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by yabukogi | 2011-01-02 14:07 | 筑摩山地・美ヶ原
2010年 12月 26日

エムハイク美ヶ原

■序

クリスマスに身体が空いていた。ひとりどこか近場で歩き納めしようと企んでいたら、偶然にも予定が空いた美青年junさん、同じく偶然にも空いてるイケメンカワムさんと3人で、西穂の独標まで行こうと話がまとまる。むかし父から聞かされたことだが、山の神様は女神様だと言う。ならば山の神様も、美しきふたりを伴えば僕を特別な好印象で迎えてくれて、きっと来年は僕にとってすばらしい年にしてくださるに違いない。

当日未明。直前には南岸低気圧が通過して完璧な西高東低の冬型気圧配置。等圧線はタテになってくるし、西穂高は気温マイナス20度、風速25m/sの予想も出ている。こ、これは荒れる。未明、松本市街地ですでに氷点下。風に小雪が舞う。カワムさんの車に乗り込む。158号を奈川渡ダムにさしかかるとトンネル内部にまで雪が吹き込んでいる。風も雪も、どんどん激しくなる。これでロープウエイは動くか。ちょっと作戦タイムと、雪に覆われた沢渡の駐車場に入る。とにかく新穂高まで、と開き直るが、このタイミングで金沢から合流する予定のjun君から連絡、富山市街地で雪に捕まる、と。この朝は飛越国境近い庵谷ではなんと56センチの積雪、これでは到着が遅れ行動に支障が出るだろうと、今回の西穂独標は諦め、年が明けてから晴天を狙って再び訪れることとする。






■東へ、裏山へ

  にゃんこ先生(カワムさんのこと)。
  せっかく支度して来てるから、里山でも歩きまっしょい。

沢渡をあとにして松本市街地に戻る途中、真っ正面に美ヶ原の王ケ頭が見える。どうせ他に行く宛がある身でもない。そこで裏山でお手軽に耐寒訓練ですよ、などと無邪気に、美ヶ原の雪を見物に行くことに決めた。市街地を抜けてわずかに山へ分け入り、入山辺・三城(さんじろ)の駐車場に車を停める。



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キャンプ場を抜けるあたりでは積雪はわずか。それでもきゅうきゅう靴を鳴らしながらジグザグに高度を上げ、高原台地の縁(へり)に続く断崖を登り上げて行く。頭上に風が鳴っている。ごごごごごと樹々を鳴らして轟くが、僕らは西穂の稜線に上がるつもりで装備も整えている。そんな心強さもあって、このあたりまではお手軽気分で歩いている。

>> 高原はエム好みの烈風!
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by yabukogi | 2010-12-26 14:38 | 筑摩山地・美ヶ原
2010年 11月 24日

宿酔のロープウエイ

少し空気がきれいなところで宴会でもやろうと、北八ヶ岳に出かけた。しとしと雨の降る夜の松本を後にして、じゃぶじゃぶと降り続ける蓼科の高原に向い、顔が角張るぐらい角瓶を愉しんだ夜。そして降り積もった新雪をぱふぱふ鳴らして少しだけ歩いた至福の時間。2010年11月22日から翌23日のことだ。



21時、家事を終えて家を出る。空からは、雨。ジャケットのフードを被り、松本駅までの3キロを歩く。22時過ぎの中央線上り電車は、飲んで帰るサラリーマン、OLさんばかり。やがて茅野駅に下車。仲間が迎えに来るまで2時間はある。



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>> 雪景色
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by yabukogi | 2010-11-24 14:18 | その他の山域
2010年 11月 07日

燕雪尾根ハイキング

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2010年11月6日、快晴。


ご近所のカワムさんと新雪の燕岳を日帰りハイキング。稜線に雪と氷と戯れて、至福の一日を過ごす。



歩き慣れた合戦尾根をふぅふぅ這い上がり、雪が出てきて無邪気にはしゃぎ、穏やかな(それでも冷たい)風に吹かれて槍ヶ岳を眺め、あたたかい飯を腹に収めて、またひとの棲む街に戻る。たったそれだけのことながら、この一日のおこないがしつこい肩こりをほぐし、腰痛を癒し、脳天からびりびり飛んでる青白い火花を消し去ってくれるのだ。

>>ぐわ、冬の北ア!
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by yabukogi | 2010-11-07 08:41 | 北アルプス・常念山脈
2009年 12月 14日

雨引山 09/12/13

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安曇野・山カフェ】からお誘いがあった。

冬の一日、地図とコンパスを睨みながら安曇野の里山を歩こう、と。プロガイドの山本史郎さんが講師としてご一緒くださるという。

そして続きが...
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by yabukogi | 2009-12-14 10:18 | 北ア・前衛の山々
2009年 01月 04日

美ヶ原・王ケ頭 09/01/04

2009年、正月を家で穏やかに過ごしていた。4日には晴れると予想していたので、裏山に上がって槍穂高でも眺めようと出かけた。カブにまたがり、ピッケルもストックも持たずに山辺の三城(さんじろ)に向かう。気温はもちろん氷点下。


なだらかで気持ちのいいハイキングコースを「ダテの河原コース」でたどる。汗をかく程でもなく美ヶ原山頂に着くが、バスで乗り付けた街着姿の観光客の群れがぞろぞろ。一応山靴を履いた僕はなぜか恥ずかしくて王ケ鼻のてっぺんに逃れ、寒い寒い、吹き付ける風の中に立った。


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う〜ん、穂高だ。たまらない。



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北の方も、美しい。これならば観光客も集まるわけだ。


南には富嶽も八ヶ岳も、もちろん南アルプスも中央アルプスも。歳神さまから、僕への贈り物だと喜んだものだ。
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by yabukogi | 2009-01-04 20:00 | 筑摩山地・美ヶ原