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2012年 12月 30日

請い願わくば、笠地蔵

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クリスマスの頃、寅さんのfacebookページから、こんな台詞が流れてきた。


上等上等、温かい味噌汁さえありゃ十分よ。
後はお新香、海苔、タラコひと腹、ね、
カラシの効いた納豆。これにはね、
生ねぎ細かく刻んでたっぷり入れてくれよ。
後は塩昆布に生卵でも添えてくれりゃもう、
おばちゃん何にもいらねえな、うん。





朝飯でも馳走になろうとする寅さんが、おばちゃんに言ったのだろう。味噌汁だけで良い、と言っておきながらのリクエストが凄い。まるでうちのねこのようだ。

僕はけっして豊かな境遇で育てられた訳ではないので、欲すること、求めることは「我慢しなさい」と躾けられてきた。だからあまり物欲は無いのかもしれない。

それでも、クリスマスに白ヒゲの爺さんから贈られたゲーム機やら図鑑やらに狂喜乱舞する豆ども(9歳と7歳)を眺めていると、凡夫たるもの、何かを欲し求めることに恥じることもあるまい、と思えるようになってきた。

寅さんだって、納豆にネギを刻み込んでくれ、とまで言っている。

じゃあ、僕も少しだけ。



あたらしいクランポンが欲しいよ。
セミワンタッチで、ハンワグのクラックセイフティーにもスーパーフリクションにも「かちゃりっ」って着けられるやつが欲しいよ。いま使ってる古いサレワのやつは、全部バンド締めなんだ。

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おいお前。
おとこ一匹、京の都は清水の、その舞台から飛び降りる、ってぐらいの気持ちで言うもんだ。
それを、こんなしょぼくれた鉄ゲタはねぇだろう。そんなもン、明日買ってくりゃあ良いじゃあねぇか。

寅さんにこう怒られそうだ。


よし、まだ限度額まで余裕があると見た。こいつでどうだ。

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あのな、ただのチョッキじゃねぇか。
おい。男ってもんはなぁ、もっとこう、でっかく出て行くもんだよ。





また叱られた。
しかたがない。寅さんが言うんだ。


今乗ってるリトルカブは引退させて、ハンターカブが欲しい。

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くぅぅぅ。欲しい。
こいつで林道深く入り込んで、北ア前衛の薮尾根秘峰を探索するんだ。


おい良っく聞きな。
お前さんスケールがね、スケールが小さい。
人生の長い旅路の中でね、幸せを探さない、そんな阿呆な野郎が居るかい?
古今東西、どいつもこいつも、あの孔子さまだってキリスト様だって...







じゃあ、ジムニーが欲しい。
昔乗ってたJA71をカスタムにしたのが欲しい!
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ええい。
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上高地行きのシャトルバス乗り場の近くに、こんな古民家が売りに出されてる。新潟にあった江戸期の古民家2軒を解体した材で建てられ、蔵も別棟で付属。広い敷地から北ア(背中になるため)は見えないが、たしか鉢伏方面が眺められたはずだ。地形図で大明神山とあるお山の南側に建つ。徳本峠に続く島々谷の入り口も、すぐ近所だ。

ずっと5,000万で出てたけど、500万下がったんだ。

ねえ。笠地蔵さん、大晦日には笠を持って行くと約束するよ。
だから、上に書いた鉄ゲタとかチョッキとかは要らないから、この家を....
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by yabukogi | 2012-12-30 03:15 | 書くまでもないこと
2012年 12月 22日

マイクロストーブの愉しみ

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ある日。

さんぽ師匠から荷が届いた。そう、【sanpo CF stove】でお馴染み、我らがファイア・マエストロのさんぽ師匠だ。あまりに軽く小さな封筒だったが、開けてみれば、ころんとストーブが転がり出てきた。

コンパクトでシンプルで、ストーブとは思えないフォルム。ユニークで思わずうなり声が出たスタンド。


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なんと! 新作か?




このストーブを組み込んだ野外珈琲セットをこしらえてみよう。

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そう、これだけでオープンできる、僕だけのミニマムカフェだ。

珈琲はインスタントで、と妥協すればポット/ケトルを用いずマグだけで構わない。けれども敢えてドリップと定め、コンプリートさせたセット構成。



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ポットはMLV(現FREELIGHT)の550mlチタンポット(旧モデル)。美しく使いやすいだけでなく、このポットから湯を注ぐ時の「細さ」が珈琲ドリップに適しているのだ。


内側に見えているマグは、普段使いのEPIシングルチタンマグ。旧モデル?だろうか、400ml程度のもの。


アルコール容器は、新潟精密製の50ml入りのポリエチレン容器。ポリエチレンはメチル/エチルどちらのアルコールにも耐性がある。50mlでは2オンスに満たないが、珈琲一杯には十分。


珈琲はごく普通のブレンドもの。35mmフィルム容器で携行するのは、あの放置民のいのうえさんから伝授していただいた。雪の上だったか風の中だったか、テントを並べて珈琲タイム、という時に教えていただいたのだ。



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風防はアルミ缶を使った自作スクリーン。



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後ろに写っているドリッパーは自作のもので、ポリプロビレンのホルダーにアルミ缶から切り出した漏斗(ろうと)を載せている。ポットの中のすき間に挟んでおけるので、まったく場所を取らないのだ。



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裏の丘の向こうの湖では、湖面が結氷。半分も無い水面で水鳥たちが遊んでいた。

気温2度。ナルゲンに入れてきた水道水も、こんなもんだろう。1オンスのアルコール燃料を注ぎ、イムコのHitで点火。そういえばこのイムコもいのうえさんから贈られたやつだ。約500mlの湯が沸くまで6分20秒。



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前述したように、このポットはお湯を理想的な水圧で珈琲パウダーに載せることが出来る。



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凍てつく信州のハイランドに、アロマが薫る。



500mlの湯沸かしに、アルコール1オンスは少し過剰だった。気温や風に影響を受けるだろうが、0.7ぐらいで沸かせるようだ。この小さなストーブ、ぎりぎりまで引き算されてコンパクトにしてシンプル、sanpo CF stoveのような消火機構は備えていない。


これが愉しみなのだ。


一杯の珈琲を味わう。あるいは、屋外で熱いスープをつくり身体を温める。こうした目的のために、どのくらいの燃料が必要で、また時間を要するのか? 燃料の容器は何を選ぶか? 山旅の日程や食事の内容と回数、ウエイトとのトレードオフ、エマージェンシー対策、そうした要素を加味して考える。考えるだけではなくていろいろな条件下で実地に試行錯誤する。その積み重ねから、適正な燃料の量を自身の経験値として導き出す。

かくまで奥深い外遊びの、その愉しみの真ん中にこのストーブがある。このストーブは、どちらかというと高所に携えて行くというよりカジュアルな珈琲ブレイクなど想定して作られているのだろう。しかしアクティビティのかたちを問わず、道具と向き合う、使ってみる、経験値を深める、という原点に、この作品がある。いまはまだプロトタイプかもしれないが、公式リリースされる日が待ち遠しい。



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by yabukogi | 2012-12-22 15:43 | 山の道具のこと
2012年 12月 15日

その男、ごま油。

ちょっと待って。


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同情はしないでほしい。僕に居場所が無いからといって、孤独だからといって、味気ない時間を過ごしていると受け取ってほしくない。

素敵な隠れ家を、手に入れたんだ。

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裏庭の車庫の奥の片隅を、占有した。文字通り、裸電球ひとつ。




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七輪を据えて椅子を置いて、僕だけの城だ。誰にも遠慮は要らない。ばあ様は早く撤去しろって五月蝿いけれど。



秋の或る日。
町内会の行事で焼きおにぎりを焼いていたんだ。訪れた人々がよろこんでこれを味わってくれて、僕はこの世に独りじゃないと実感できた。嬉しい時間だったんだ。
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それからというもの僕は、庭の片隅で週末ごとに炭火や焚火を起こし、何かしら焼いて味わい、もちろんウイスキーを愉しみながら過ごしている。


何かしら、と言っても決して黒毛和牛の骨付きカルビとか黄金軍鶏ではなくて、秋刀魚や厚揚げだけれど。
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隠れ家が完成すると、いろんな食材を持ち込んで焼き焼きしながら、もちろん信州の冬のことだ、氷点下7度とかそういう気温の中で震えながら、いろんなものを炙りながら楽しんでいるんだ。


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なぜ、気付かなかったんだろう。
家の中に居場所が無ければ、家の外に過ごせば良い。

庭やベランダが無ければ、そのまま家を離れて野を越え尾根を上がり、ピーク手前の平坦地に幕を張れば良い。シェルターを風が揺らすけれど、鹿たちが鋭く叫ぶけれど、穏やかな夜がきっと訪れる。

さいわいにも僕には、山に向かわなくてもこの空間があった。尾根を登るまでもなく。


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独りよがりの逃避なんかじゃない。ちゃんと家族のための晩飯をこしらえながら。
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今夜は、焼鳥をこころゆくまで愉しもう。

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地鶏のもも肉とレバ、ハツを用意。レバは流水で血抜きしてから金串に刺した。

レバには、塩だ。沖縄の海で採れたという粗塩を振る。炭火に載せられてぷるぷると震えながら、味わいをまとう。
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タレ?

冒頭に掲げた写真のもも焼きは、タレに漬けたよ。
でも今夜のレバ焼きは、タレじゃない。


塩とごま油だけで味わうんだ。
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うふふ。
生きてて良かった。
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by yabukogi | 2012-12-15 21:37 | 喰い物のこと
2012年 12月 09日

なんてシルキーな夜だろう



やあみんな、もちろん絹ごしだろう?


僕は豆腐が好きでね。
もちろん地元の名店と言われる豆腐店の豆腐、一丁300円ぐらいする品物が最高だけれど。でも現実にはスーパーで売ってる輸入大豆(ただし遺伝子組み替えでない)を使った、一丁29円の絹ごしの方が多いんだ。


冷や奴?
うん、でも今は、湯豆腐か「温奴」だね。

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これが、或る夜の僕の夕食。
たった、これだけ。


虐待を受けてる?

....そうかもしれない。




信州松本の冬は、すごく寒いんだ。暖房器具の無い部屋(当地では珍しいことだけれど)で暮らしていると、寝る時にはダウンの上下を着込んでバラクラバを被る。

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もちろん、テントの中でもね。



とにかく、こんな凍てつく季節には、絹ごし豆腐を皿にあけてレンジに放り込む。中まで温まったら、大好きなペッパーソースを、たらぁり。緑色の、いのちを震わせるような美味しいソースなんだ。
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このソースがね、29円の豆腐を感覚的には2,900円也の素晴らしいご馳走に変えてくれる。


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秋深まる頃に手に入れた、地物野菜の青唐辛子。この夜の絹ごし豆腐に添えられていたものは、青唐辛子をジューサーでカットして、塩とリンゴ酢に混ぜただけのシンプルなもの。素材の味わいを引き立たせてくれる。


この他にも、いろんな品種のペッパーたちが、いろんな姿で保存されてる。

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ほら。




あなたも、どう?
冬の、シルキーな夜。
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by yabukogi | 2012-12-09 09:35 | 喰い物のこと
2012年 12月 03日

地図ロイド、そのキャッシュのこと

Androidの突き抜けて秀逸な無料アプリ【地図ロイド】と【山旅ロガー】を愛用していながら、地図データのキャッシュ管理について大まぬけな勘違いをしていた。訂正を兼ねて、僕の備忘録代わりに記しておく。また、適宜加筆訂正する予定。なお、端末の機種やOS、アプリのバージョンなどで手順や表示に違いがある。そこらへんはご了承を。



■地図データ保存先

まず、僕の使用環境では、地形図キャッシュはSDカードに保存させている。
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地図ロイド起動中、メニューから「地図管理」を選ぶ。すると上の画像のように右側に「設定」があるから、「保存先設定」をSDカードとする。




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下の方に容量が20MBと表示されているが、SDカードを使う場合は、ここは無効。クリア、凍結も無効。



これで、地形図はサイズを気にせずSDカードに落としておける。寝床や電車の中ではぁはぁ言いながら、どんどん表示させて行けば良い... と思っていたら、なんと、「一括読込」モードがあるではないか。




一応書いておくと【地図ロイド】では、地形図の縮尺に応じて、1/18,000、1/9,000、1/4,500という3段階の別々なデータを使い分けている(1/4,500は一括読込みからは省かれる、後述)。

なので、拡大縮小それぞれのデータを揃えておかねばならない。ところが山の中では、電波事情というがものある。加えてバッテリー消費を抑えるために「機内モード」にすることが多い。だから事前キャッシュが重要なのである。


■一括読込

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メニューから「地図管理」を選ぶ。真ん中の「一括読込」をタップ。



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ここで「新しく取得する」を選ぶ。



この先で、読込みする範囲選択のための地形図が表示される。スクロールや拡大縮小の操作でお目当ての山域を探す。ここで、目的の山域(エリア)の北西の角っこをセンターに持ってこよう。


ここでは仮に涸沢を始点とした。ゴルフボールみたいなやつをタップしてから地図の方をスクロールしていく。

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北尾根の岩にはぁはぁ息を荒げながら「又四郎め」などと呟く。



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もう一度、ゴルフボールをタップすると、読込みの確認画面。



取込むデータグループに名前をつけられるのは便利だ。
画面中、9000(基本図)(48枚)以下に4500が表示されていないのは、理由がある。一括読込で広範なエリアを対象とした場合、詳細な1/4,500図のデータ量は膨大なものになる。トラフィックや通信時間に負担を与えることもあって、我慢しなさいということだろう。


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4500図を使用せずに9000図の拡大表示で代替する機能もあるようなので、こう考えると4500図は必ずしも必要ないのかもしれない。が、バリエーションルートや沢の遡行に備える場合は、想定ルートを事前に表示させることで1/4,500図の読込み保存をさせておけばいいのだろう。



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奥又白の池の付近を表示させている。
これは1/9,000縮尺のデータを拡大させているのだが、実際には問題がなさそうだ。そもそもこれまでは紙に印刷された1/25,000図に慣れ親しんでいたのだから。



■Mac側から覗いてみる

SDカードに保存されたキャッシュそのものは、どうなっているのだろう?
MacにUSBでつないだ状態で、Finderで見てみる。
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汚いデスクトップを晒すようで恥ずかしいのであるが、グレーや黄色のHDDヴォリュームに混じって、白いアイコンが見える。これがスマートフォンのSDカードだ。「chizroid」フォルダの中に「cashe」フォルダ、その下にはここのデータが置かれている。どうやらDLした端末でしか利用できない(他アプリで利用するなどが不可)かたちで書き込まれているようだ。



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casheフォルダがSDカードのどのくらい占めているか?
140MBと見えるが、北ア南部東側がそっくり入ってこのぐらい。槍穂裏銀座、常念山脈、後立山も入ってる。




■バッテリー

さきに機内モードで、と書いたが、それでもバッテリーはなかなかタイトだ。

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ブースターをお忘れなく。



アプリ開発者の方の優れて解りやすいサイトがあった。僕の記事ではなくて、こちらをご覧になった方がいい。
https://sites.google.com/site/chizroid/
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by yabukogi | 2012-12-03 07:49 | 山の道具のこと