その男、薮の彼方に消ゆ

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2012年 07月 18日

涼、いっぷく。


梓川のほとりを歩いていた。


僕が大好きな場所、
静かで、誰も訪れない場所。
川岸の柳や櫟(くぬぎ)の森の向こうに
常念山脈をあおぐ岸辺。


護岸をぶらぶら歩いてゆくと、橋の下。
ここは、透明な流れの底から
水が吹き上がってる。

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本流は数日前の雨で笹濁り。
でも、護岸脇のこの流れは、いつも澄んでいる。
河原の砂利に濾し通されたきれいな水が流れてる。

そこへ、また湧水がこうして加わって
流れはいつも透明さを保ってるのだろう。






気がつけば梅雨が明けていた。

冷涼な信州松本も、暑い。
ささやかな涼の一服を、どうぞ。

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▲松本市清水、お宮さんの境内に湧く泉。


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▲かつての繁華街だった裏町の奥に湧く「鯛萬の井戸」


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▲源地と呼ばれる界わいには、こんな湧水がたくさん


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▲ちいさな溝の底を覗くと... こんこんと







暑中お見舞い、申し上げます。








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by yabukogi | 2012-07-18 16:07 | ぶらぶらと歩くこと
2012年 07月 14日

まめごはん


近所の農家から、えんどう豆をもらった。

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この辺じゃ、よくあること。野菜は、手みやげなのだ。

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付け合わせや彩りには豆を良く使っていたけれど、この時は、まめごはんを炊こう、そう思った。


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うちの豆どもが手伝ってくれて、豆はさやから出され、安曇野コシヒカリが浸された鍋に放り込まれた。ここに塩を少し。



鍋は、いつものごとくDUGのPOT II、火器はトランギアのアルコールストーブ。ぶくぶくと吹いたら蓋に石の重りを載せ、トランギアを弱火に。タイマーが12分を鳴らす前に、キッチンには良い香りが漂っている。豆どもは、もう待てないようだ。



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炊きあがり、蒸らし終わり、まめごはんはあっという間に、ふたりと僕の胃袋に消えた。盛った写真を撮る余裕もなかった。



豆の味わい香りを楽しみながら、幼少の頃の記憶を辿っていた。

僕は九州北部の山奥で育てられた。峰峰は花崗岩で、渓谷は真白き岩の間を流れていた。谷底の崖っぷちのようなところに建てられたその家には、庭と言うべきスペースなんか無い。流れのほとりに降りて行く傾斜のわずかな段に、いくつかの狭い畑があるだけだった。

そこで穫れたえんどうを、婆ちゃんは、豆ご飯にしてくれた。僕の祖母じゃない。ある婆ちゃんだ。




ずっと以前に泉下へ行ってしまった婆ちゃん。僕が三途の川を徒渉するとき、向こう岸で、おふくろや祖父母と並んで、僕のことを迎えてくれるに違いない。おふくろ、じじばば、そしてこの婆ちゃん、それぞれハグし終えたら婆ちゃんに豆ご飯のお礼を言おう。たぶん、生きている間にはちゃんと言えなかったと思うから。
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by yabukogi | 2012-07-14 11:10 | 書くまでもないこと
2012年 07月 08日

ひるめしのまるいかん


毎日、現場仕事です。


ひるめしをデリバリしてくれるサービスもあるのですが、自分で作ります。子どもたちの朝飯を作りながら、おかずを弁当用に分けてもらうのです。そしてこれを、ミニトランギアの丸い缶に詰めて。


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毎日、かくありたしと願う弁当内容です。一応書きます。左奥は、先日書きました庭の青山椒の実とイカナゴを佃煮にしたものです。時計回りに、一昨年作りました梅干し。豚もも肉の手抜きハム風。甘くしない玉子焼き。ここまで全部、自家製です。ウインナーは、作りません。緑色のは、シシトウです。好きなんです。



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現実には、このような盛り込みのことが多いのですよ。右側のおかずは、豚ロース肉を唐辛子味噌に漬け込んであるのですが、これを炙ったもの。悪魔的な美味さです。おかずが少ないのは、子どもたちの朝飯で喰われてしまったためです。



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これも子どもたちにおかずを奪われて、仕方なく目玉焼きを追加した、という流れですね。成長と食欲というものは、恐ろしいものです。



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いつもミニトランギアの鍋だけで弁当にしている訳ではありません。おかずがたんまり確保できた時は、GSIのネスティングボウル/マグのマグの方を使います。この日はカツでした。前の晩のおかずを、自分のカツを子どもたちに与えておいて、翌日のおかずを確保する、という涙ぐましい努力の賜物です。右側に白っぽい肉が見えていますが、これは鶏もも肉を酒蒸しにしたものです。破壊力の高いひと品ですね。




しばらくはこんな弁当ライフが続きそうです。え? 毎日おなじソーセージ喰ってやしないか? 本当だ。すみません。ソーセージが入っていない過去のバリエーションもたくさんあるので、いずれまたご紹介しましょう。



そうそう、僕のおかずをことごとく奪っていく兄妹というのが...
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近所で蛍が舞うので、ふたりにヘッデンを持たせて夜の散歩です。蛍はもう終わりですが、写真右奥に写っている柳の大木にカブトムシたちが集まるものですから、これからも観察は続きます。満月は、鉢伏山の真上に煌煌と輝いています。僕の人生の行く手にも、こんな輝きが見えてますって。ほんとうですよ。
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by yabukogi | 2012-07-08 09:36 | 書くまでもないこと
2012年 07月 01日

熱血グリーンカレー魂

またこの季節が巡って来た。


蒸し暑くなると、辛いグリーンカレーを食したくなるのだ。それも、ひとくち目から舌がびりびり震え頭蓋骨がきしむような辛さが良い。ふた匙目には食べ始めたことを後悔し、タンブラを握り砕くような、そんな辛さ。この辛さが、皮膚にまとわりつく見えない水蒸気を、消し飛ばしてくれる。だって、毛穴という毛穴から汗がほとばしり出て、もやもやした水蒸気なんて、吹き飛ばしてくれるから。



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グリーンカレー、ココナッツミルク仕立てのチキンカレー。なぜか筍が具材に加えられている。そして青唐辛子。青唐辛子で思い出した。北ア方面の小屋番時代、同僚のシェルパ族の男からこの青唐辛子の佃煮を喰わされたことがある。佃煮、と便宜上書いたが、青唐辛子を油鍋に放り込んで辛味噌かスパイスかそういったもので煮詰めたやつだ。なぜかレモンが香る。こいつはネパールでは食卓に普通に置かれてるシロモノらしいが、日本では凶器とかテロ行為といわれるたぐいの味だ。これをシェルパは従食にぶち込む。だから、飯の時間は灼熱タイムだった。小屋の全員が真っ赤な顔をして大汗をかきながら、めしをかっ喰らっている、奇妙な光景だった。




話が脱線しかけたが、グリーンカレーはつまり、熱帯の陽光と大地が育んだスパイスを溶かし込んだスープ仕立ての食べ物だ。正確にはカレー料理ではなく、いわば「鍋料理」的なカテゴリなんだろう。ココナッツミルクのまろやかさ、そんな穏やかな風貌の裏側に灼熱のスパイスを忍ばせるなんて、ちょいといかして僕のようだ。こいつを日本人向けにアレンジして【無印良品】がレトルトパックで売ってくれている。このレトルトパックは突き抜ける辛さには欠けるものがあるが、煮込まれたフクロタケとチキンの絶妙な舌触り歯ごたえそして味わいに喜悦を感じる逸品だ。冒頭の写真がそうさ、僕の大好物なんだ。




じつは近所、僕が近所と書くときは信州松本を指す訳だけど、実に近所に【メーヤウ】というカレー屋さんがある。2店舗あってそのうちひとつが、ランチタイムに「カレーバイキング」をやってる。たしか、おひとり1,260円也で、何種類かのカレーを食べ放題なんだ。何年か前に通い詰めること週に二日は下らなかった。美味いのかって? 結果は、こうさ。



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上の写真の半年前まで、28インチのリーバイスを履いていたなんて信じられるかい? だから通うのは止めた。ときどき行くだけだ。



いまでは身体を絞り上げて28インチに戻ったから、またメーヤウ通いを再開しても良い。いや、本音はそうしたいんだ。けれどもう僕は、大皿に山盛りのカレーを三杯食べる、という一種の格闘技には、疲れたんだ。誤解しないで。同じカレーを三杯じゃない。最初は大好きなグリーンカレー。お替わりはもっと辛いビーフカレー、こいつは茹で玉子が入ってる。締めは骨付きのチキンカレー。こういう風だ。もちろんご飯はジャンダルムとまではいかなくても、北穂の滝谷ドームぐらいには、盛って。そう、一回のランチに、週二回。



格闘技に疲れた僕は、無印のレトルトカレー【グリーンカレー】を在庫しておいて、裏山のピークでいただくのが大好きなんだ。ミニトランギアでご飯を炊いて、もちろんストーブはトランギア。蒸らし中にミニトラのフタの上にレトルトパックを置いておくと、ちょうど良く温まる。これで安曇野の向こうに槍から穂高までの稜線が見えていれば完全に満足なんだ。カレーを滝谷ドーム三杯なんて、もう僕には向かないのだから。

今日も、そっと家を抜け出して20分、ハイクアップで1時間、あのピークから... そう思っていたけれどこの雨だ。熱血の魂がふつふつとたぎるものだから、熱帯のモンスーンを、呼び招いてしまったようだ。
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by yabukogi | 2012-07-01 14:21 | 喰い物のこと