<   2011年 07月 ( 3 )   > この月の画像一覧


2011年 07月 26日

ある朝、常念を眺めて

ふるさとについて、考えていた。

僕にはふるさとがない。根無し草のように生い立ちから各地を流浪しする生き方だったためか、ひとつの風土、風景にふるさとを実感することができなかったのだ。


信州松本の棲み家から眺める北アルプスの稜線は、憧憬であって故郷の原風景ではない。まぶたに浮かぶふるさとの山河とは異なって、あくまで高く遠く、こころのなかまで降りてくることは、ないのだ。もっとも、僕のまぶたに浮かぶ風景とて、ありはしないのだが....。


そんな風に考え続けていたある夏の払暁、稜線からふと東の方向を眺める。

c0220374_1840315.jpg

そこには、ふだん下界から眺め続けてきた常念が、神々しい光のなかにあった。



c0220374_16581919.jpg

朝の光線は、森羅万象すべてを描き出したいのか、どの瞬間にも表情を変える。



雲海に浮かぶ大好きな峰を、普段とは裏側から眺めている。

あの山の向こうに、大きな山体の裏側に我が街があるのだと思うと、常念こそが僕のふるさとを象徴するものであることに思い至る。そうか、今、常念を眺めながら、松本のまちを眺めているのだ。毎年楽しみにしていた深志神社・天神のお祭りも終わり、盆地の城下町はうだるような暑さに包まれる日々を迎えるのだろう。源地界隈、湧水のせせらぎが音立てる光景が、いかにも涼しげな季節を迎えるのだろう。理由も無く、目頭が熱くなる。根無し草も、いつしかふるさとを見つけたようだ。
[PR]

by yabukogi | 2011-07-26 19:00 | 北アルプス・常念山脈
2011年 07月 11日

雷雲去りて北鎌尾根が


c0220374_18583980.jpg



表銀座の稜線は俄(にわか)に雷雲に呑み込まれる。
黄色い閃光はなぜか、どこからか硫化水素の匂いを運んでくる。
なんであろう。湯俣あたりの空気が持ち上げられてきているのか。

硫黄に、鋼を擦ったような匂いが混じる。
しばし山々が轟いたあと、ガスを割った東鎌尾根の上に、
うつくしい北鎌尾根が姿を表す。

北アルプスは、夏。
[PR]

by yabukogi | 2011-07-11 19:08 | 北アルプス・槍穂高
2011年 07月 05日

盛夏のみぎり如何がお過ごしですか。



元気にしています。ひと月近くも放置してしまいました。すまないことです。


松本盆地で地震騒ぎがあったり、僕の骨盤にぎっくり刺激的な痛みが滞在したり。かと思えば口内炎ができて丸四日もリポビタン生活を送ったり、それはそれは波瀾万丈の一ヶ月。のんびり北アを歩いている余裕もありません。


c0220374_16113989.jpg

それでも時折はこっそり沢に出かけたり、名も無き尾根を探索したり。



c0220374_16124084.jpg

あいかわらずふらふらとぼとぼと、頼りなく二本の足と両の手を使って前には進んでいる訳で。



c0220374_16154777.jpg

朝のひかりにおのれを照らしてみたり。




c0220374_16202476.jpg

いえ、そんなことよりも、怪しげな酒の肴の研究も怠り無く続いております。塩麹というものにささみや手羽先を漬け込みんで、そいつを炙ってみたりも。



c0220374_16213068.jpg

いやはや、朝飯と書いて「しあわせ」と読む僕の食生活に無くてはならない暴飲暴食も、あぶらっこいのはやめてこんな風に、いくらか落ち着きと穏やかさがにじみ出てくるわけです。





代わり映えもしない野良犬のような暮らしのまま、なんとかやっております。これから留守がちになるので更新はお休みいたしますが、ときおりお山の風景など、気まぐれで載せてみます。みなさん、よい夏を。
[PR]

by yabukogi | 2011-07-05 05:04 | 書くまでもないこと