その男、薮の彼方に消ゆ

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2010年 12月 26日

エムハイク美ヶ原

■序

クリスマスに身体が空いていた。ひとりどこか近場で歩き納めしようと企んでいたら、偶然にも予定が空いた美青年junさん、同じく偶然にも空いてるイケメンカワムさんと3人で、西穂の独標まで行こうと話がまとまる。むかし父から聞かされたことだが、山の神様は女神様だと言う。ならば山の神様も、美しきふたりを伴えば僕を特別な好印象で迎えてくれて、きっと来年は僕にとってすばらしい年にしてくださるに違いない。

当日未明。直前には南岸低気圧が通過して完璧な西高東低の冬型気圧配置。等圧線はタテになってくるし、西穂高は気温マイナス20度、風速25m/sの予想も出ている。こ、これは荒れる。未明、松本市街地ですでに氷点下。風に小雪が舞う。カワムさんの車に乗り込む。158号を奈川渡ダムにさしかかるとトンネル内部にまで雪が吹き込んでいる。風も雪も、どんどん激しくなる。これでロープウエイは動くか。ちょっと作戦タイムと、雪に覆われた沢渡の駐車場に入る。とにかく新穂高まで、と開き直るが、このタイミングで金沢から合流する予定のjun君から連絡、富山市街地で雪に捕まる、と。この朝は飛越国境近い庵谷ではなんと56センチの積雪、これでは到着が遅れ行動に支障が出るだろうと、今回の西穂独標は諦め、年が明けてから晴天を狙って再び訪れることとする。






■東へ、裏山へ

  にゃんこ先生(カワムさんのこと)。
  せっかく支度して来てるから、里山でも歩きまっしょい。

沢渡をあとにして松本市街地に戻る途中、真っ正面に美ヶ原の王ケ頭が見える。どうせ他に行く宛がある身でもない。そこで裏山でお手軽に耐寒訓練ですよ、などと無邪気に、美ヶ原の雪を見物に行くことに決めた。市街地を抜けてわずかに山へ分け入り、入山辺・三城(さんじろ)の駐車場に車を停める。



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キャンプ場を抜けるあたりでは積雪はわずか。それでもきゅうきゅう靴を鳴らしながらジグザグに高度を上げ、高原台地の縁(へり)に続く断崖を登り上げて行く。頭上に風が鳴っている。ごごごごごと樹々を鳴らして轟くが、僕らは西穂の稜線に上がるつもりで装備も整えている。そんな心強さもあって、このあたりまではお手軽気分で歩いている。

>> 高原はエム好みの烈風!
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by yabukogi | 2010-12-26 14:38 | 筑摩山地・美ヶ原
2010年 12月 21日

美味しい煮豚をつくるの記

煮豚をこしらえてみよう。

豚肉の塊はどんな風に煮豚になっていったのか、その変化はどのように進んで行ったのか、つぶさに観察してみるのだ。



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豚肉は【安曇野酵母豚・肩ロース】というものをブロックふたつ使用。粗塩を擦り込み、ラップにくるんで一晩休ませ、取り出して凧糸を巻いた。凧糸を巻くには理由があり、これは煮崩れ防止以上に、煮込み中に不用意に肉塊を揺さぶったり変形させたりしない、という狙いがある。事実凧糸を省くと、味は染みていくのだが肉汁が逃げてしまっている。煮込んでいるうちに押さえつけたり揺さぶられたりして、大切な旨味を失ってしまったのだ。逃げた旨味の多くは、浮いた油にも溶けたのだろうか。油の多くを取り去ったら、旨味の足りない煮豚になってしまった。しかし今回は何も妥協しない。

>> ふっふっふ、妥協なんか...
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by yabukogi | 2010-12-21 10:51 | 喰い物のこと
2010年 12月 19日

彷徨える冬の魂

バイク屋に向った。歩いて、10キロほど離れた遠くの町まで。


あるとき愛車のカブ(リトル/C50LX)がパンクする。自宅ガレージで修理しようとホイールを外し、ついでにブレーキパッドを見たら、だいぶ減ってる。ならば、ワイヤー替えたりスパイクタイヤに履き替えたり、ひととおりやってしまおうと、馴染みのバイク屋に持ち込むことにした。もう25,000キロも走ってるから、持ち主と同じで相当くたびれてるのだ。バイク屋は遠く、松本市街地の反対側にある。そこでリトルカブをモビリオスパイク(普通車)に積み込み、運ぶ。余談だが、座席を倒したりすれば楽勝で車載できる。載せたらザイルとシュリンゲで数カ所巻いて確保してやれば、走行中に揺れることもない。


とにかくメンテに出したカブを取りに行く。これを、歩いて歩き通してみることにした。


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市街地を歩くのが嫌いな訳ではないが、どうせなら森の小径を歩きたい。自宅から果樹園に沿って森の方へ抜け、城山公園というところに向う小径を選ぶ。ここは晴れていれば西に安曇野と常念山脈を眺められる、いいみちなのだ。

>>もちろん充実のウオーク!
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by yabukogi | 2010-12-19 09:34 | 書くまでもないこと
2010年 12月 13日

稲核菜を漬ける

奥多摩のグリズリーとか南アのイエィティとか、それはもう恐ろしげな呼ばれ方をしてるけれど、根は優しくて大飯喰らいの工場長さんの好物に、稲核菜の漬け物がある。稲核菜は「いねこきな」と読み、梓川のすこし上の方にある稲核集落の地名で呼ばれている。松本盆地から上高地に向う道が山間部に入って、梓川にそってぐねぐねしはじめるあたりだ。

この稲核菜、もともと松本盆地周辺では広く栽培されていたらしく、うちのバア様も「むかしはこればかりだった」と感慨深い。というのも、いつの頃か稲核菜よりも柔らかく(筋っぽさの少ない)野沢菜が北信濃から広まり、そして流行り始めた。食べやすく美味だというので、どこの畑でもみんな野沢菜を播くようにになったそうだ。いわば野沢菜に駆逐された観のある稲核菜、信州の伝統野菜のひとつとして保存に努める農家もあると聞く。稲核集落自体が標高の高い山間地なのだが、さらに山の上の畑に稲核菜を播くのだとか。野沢菜その他アブラナ科の別種と交配してしまうのを避けるためという。



冬の気配がいよいよ厳しくなってくると、僕の遺伝子に残されている漁労採集生活の記憶だろうか、保存食を仕込んだりする「づく」が出始める。ある日、梓川の畔の友人の農地で収穫された稲核菜をたんまり頂いてきた。さっそく漬け込む。

昨今は漬け物と言えば浅漬けが多いようだけど、この菜は古漬けにしなくてはいけない。ごりごりと筋のある独特の歯ごたえに加え希少極上の風味を愉しめるからだ。そう、古漬けであるからには数ヶ月を乳酸菌がはびこる漬け汁に眠って完成させる。この間に発酵から生じた酸味と旨味をまとった、これぞ漬け物、冬の信州ならではの味わいである。




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稲核菜は、野沢菜よりやや背が低い。根は肥大し赤紫色のカブとなる。

>> ふふ、美味い漬け物の話さ...
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by yabukogi | 2010-12-13 16:00 | 喰い物のこと
2010年 12月 09日

ねこと秋刀魚の日々

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秋刀魚の干物をこしらえてみよう。



>> ねこが邪魔を...
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by yabukogi | 2010-12-09 09:23 | ねこのこと
2010年 12月 05日

蟹汁炊込炊飯記

【注記2011/03/10】
本稿は、当初「喰い物のこと」カテゴリとしていたが、「One Pot Cooking」カテゴリに配置する。One Pot Cookingの概念は、山岳など屋外環境において、ソロクッカーと小型軽量ストーブを使用し、常温携行または現地調達可能な食材のみを素材とし、合理的に簡潔な手順によって感動的に満足度の高い食事内容を実現しうる調理プロセスのことを指す。以上、注記。



 ◆◇◆

食品売り場でFD(フリーズドライ)の味噌汁を見かけるようになって久しい。オフィスでのランチ需要だろうか、ラインナップも増えている。


ある日僕は【かに汁・北海道みそ】と書かれた暴力的なパッケージに出会う。うむ、やはりアマノだ。ためらうことなく数個を手に入れ、炊込み風の炊飯ができないものか、工夫をめぐらせる。
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想定は、里山・中級山岳ののんびりウォーク。眺めのいい場所に小一時間もケツを据えて、魂を洗うまろやかな時間のランチだ。北アの稜線でスノウ・ブラストの洗礼を受けながら、という場面ではない。

またアルファ米をスープと混ぜ煮にしてリゾット風というのは当たり前過ぎてネタにならない。ここでは生米を使ってみよう。ということで備忘録に過ぎないが、ある日、炊込みご飯らしきものを作ってみた記録。



準備したもの、またその内容は...

>> たきこみじゃ
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by yabukogi | 2010-12-05 21:06 | One Pot Cooking
2010年 12月 03日

常念を望む薮尾根にて

常念を眺めに、笹薮の尾根を這いのぼる。


いろんな角度の常念岳を眺めたくて、あちこちの薮尾根を這いずり回ることがある。このお山の姿は、安曇野や松本の平地から眺めてもいいものだが、近づいて前衛の里山や稜線手前の高みから眺めると、一層するどく尖る。前常念岳がせり上がってきてかっちょいいのだ。



この日、2010年12月2日は、烏川右岸の小水沢という沢を遡行してから、となりにある薮尾根に這い上がることにした。



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沢は穏やかで、水量も少なく高巻くようなところも少ない。僕は沢装備も持たず、お助けヒモ一本をザックに忍ばせただけで、ここへやって来た。靴を濡らすこともない。

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by yabukogi | 2010-12-03 09:57 | 北ア・前衛の山々
2010年 12月 01日

ねこと鮭の悩ましい日々

魚屋の兄さんが、いいものを分けてくれた。


天然鮭のハラスだと言う。店ではアラとしてパック詰めし安売りするのが普通なのだが、鮭のものが違う。市場で混じってきたのか、どうも安売りするような代物ではない。そこで兄さん気を利かせてくれて、顔なじみの僕にアラとして分けてくれた。



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分けてもらったが、使い道が判らぬ。ハラスと言えば鮭トバとして薫製だろう。ところが生憎くんせいのための道具と材料が無い。魚屋の兄さんには悪いが、処理に困ってとりあえず塩揉みする。しばらく置いて酒で洗う。また塩を振る。

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by yabukogi | 2010-12-01 09:59 | ねこのこと