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その男、薮の彼方に消ゆ

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2013年 06月 24日

緑の戸谷峰・六人坊・烏帽子岩

2013年6月23日。僕は全身が緑色に染まるぐらい、あざやかなみどりの中を漂っていた。


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少し高い所へテントを担いで。そう予定していたけれど、結局裏山のあまり高くない所を半日で周回することにした。日曜日の朝ご飯を済ませ、台所を片付けてから家を出る。パックしたのは2リットルの水とカップラーメン、そしてトランギアのアルコールストーブ。ほかにはウインドシェルと予備の革手袋ぐらいだった。




家から15分ぐらい、カブを走らせる。三才山トンネル手前で国道254号の道ばたに駐輪すると、戸谷峰に向う2組ほどのハイカーがいた。彼らは最近整備された別コースを歩いたのだろう。山中でもてっぺんでも、出会うことは無かった。

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野間沢橋脇の鉄階段。ここが戸谷峰の旧入り口。中部電力の鉄塔巡視路を歩かせてもらう。



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緑がしたたる。ニリンソウの群落が見られる、湧き水のある谷。時期が遅いので花はもうない。



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足元に、オトシブミがたくさん。踏んでしまうと可哀想なので、この日、いくつかを道の外に放ってやる。



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どこもかしこも、いのちの気配に、満ち満ちていた。幼樹が葉を広げ日光を受け取ろうとしている。数十年後、巨樹に育っているだろうか。



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朴の木のアトラス。独りで全天を支えているようなその姿に、僕が勝手に名付けた。



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山頂近く、広葉樹の尾根。林床のニリンソウにも、もう花はない。



戸谷峰山頂には誰も居なかった。西側、安曇野は靄っている。槍も穂高も見えない。
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山頂を後にして、尾根の道を戻る。いつもは鉄塔のコルから野間沢橋に降りてしまうのだけど、この日は稜線伝いに六人坊、三才山と回ることにしていた。踏み跡はとっても薄くなる。それでも迷うことはないトレース。




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ギョリンソウの群落。




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六人坊山頂には、三角点と手書きのプレート。




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わずかに歩けば三才山。ここから急斜面を這い降りると、眼下に国道の橋が見える。するといきなり、蝶ケ原林道に飛び出す。ここが三才山峠。




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峠の様子。右奥の斜面から林道に降りた。




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しばらくは蝶ケ原林道を歩く。途中、東側にすばらしい岩壁がある。




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登ったことはないけれど、そそられるリッジ。あのテラスからの眺望を想像するだけで、お腹の下あたりがヒュンとなる。




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岩壁の下で、ランチタイム。

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ヌードルをすすりながら、この日の前半に歩いてきた山並みを眺める。





少し歩いて、烏帽子岩への入り口。美ヶ原高原ロングトレイルに入る。トレイルはさらに、武石峰から美ヶ原方面へと続いている。 

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武石峰からの降り口(右)と烏帽子岩への入り口(左奥)。




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烏帽子岩。でっかい岩壁の基部から突き出したピナクル。松本市街地からも眺められる。背景は女鳥羽川・地獄谷の森。




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男性用の眼鏡を拾った。持ち主が困っているだろう、権現社の石灯籠に置いておいた。




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烏帽子岩からも、濃淡あふれかえるみどりの中を下っていった。




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山腹を巻くように下り、次第に開けた沢のような地形に変わる。そんな一角に、湧水を汲むことができる。僕は飲んだことがない。また秋深くには涸れてしまう。




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国道を往くクルマの音が聞こえ、畑の脇を過ぎ、車道を歩く。国道に出てしばらく登っていくと、僕の赤いカブが待っていてくれた。






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帰路、いつも詣でる御射神社さんの秋宮に寄る。このお宮で、山の神さまである烏帽子大権現さんをお祀りしてるのだ。


山の神さま、ありがとう。

by yabukogi | 2013-06-24 07:29 | 筑摩山地・美ヶ原


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