その男、薮の彼方に消ゆ

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2013年 06月 08日

うつくしい季節を



ある宵。


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安曇野を流れる梓川のほとりに、大きな月が昇ってきた。

満月近いまぶしさに、目眩すら覚えて僕は岸辺に座り込んでしまった。ぼうっと眺めていたら、足元の流れが膨れ上がっていることにも、気付いた。上高地から乗鞍から、大量の雪代が集まっているのだ。そういえば、天狗原のあたりから、また横尾尾根の上の方から、槍沢の断崖に向って何本もの滝がかかる。初夏だけのまぼろしのような滝なのだけれど、東鎌尾根あたりから眺めてるとその迫力は凄いもので、7月半ばに消えてしまうまで、轟いている。そんなことを思い出していたら、月は高く鉢伏山の上に移っていた。



春の訪れを喜んでいたら、いつの間にか夏が兆していたようだ。

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数日後、安曇野豊科付近をうろついていたら、田植えの済んだ田んぼに、金色の光が満ち満ちている。大滝山、蝶ケ岳、常念から遠く小蓮華までの稜線のシルエットが憎い演出。

うわこれもうつくしい時間だなと、田んぼ道に座り込んでしばらく眺めてしまった。




その同じ夕方。
山越えをして家に帰ろうと、とことこカブを走らせていた。峠付近で振り返ると....

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空はあざやかな茜に染まって、燕岳稜線の向こうの輝きが、安曇野の田んぼにまで。うわあこりゃたまらんと、また座り込んでしまい、暗くなってからケツを上げた。




信州安曇野界隈、うつくしい季節を迎えている。
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by yabukogi | 2013-06-08 11:55 | ぶらぶらと歩くこと


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