その男、薮の彼方に消ゆ

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2012年 12月 22日

マイクロストーブの愉しみ

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ある日。

さんぽ師匠から荷が届いた。そう、【sanpo CF stove】でお馴染み、我らがファイア・マエストロのさんぽ師匠だ。あまりに軽く小さな封筒だったが、開けてみれば、ころんとストーブが転がり出てきた。

コンパクトでシンプルで、ストーブとは思えないフォルム。ユニークで思わずうなり声が出たスタンド。


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なんと! 新作か?




このストーブを組み込んだ野外珈琲セットをこしらえてみよう。

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そう、これだけでオープンできる、僕だけのミニマムカフェだ。

珈琲はインスタントで、と妥協すればポット/ケトルを用いずマグだけで構わない。けれども敢えてドリップと定め、コンプリートさせたセット構成。



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ポットはMLV(現FREELIGHT)の550mlチタンポット(旧モデル)。美しく使いやすいだけでなく、このポットから湯を注ぐ時の「細さ」が珈琲ドリップに適しているのだ。


内側に見えているマグは、普段使いのEPIシングルチタンマグ。旧モデル?だろうか、400ml程度のもの。


アルコール容器は、新潟精密製の50ml入りのポリエチレン容器。ポリエチレンはメチル/エチルどちらのアルコールにも耐性がある。50mlでは2オンスに満たないが、珈琲一杯には十分。


珈琲はごく普通のブレンドもの。35mmフィルム容器で携行するのは、あの放置民のいのうえさんから伝授していただいた。雪の上だったか風の中だったか、テントを並べて珈琲タイム、という時に教えていただいたのだ。



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風防はアルミ缶を使った自作スクリーン。



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後ろに写っているドリッパーは自作のもので、ポリプロビレンのホルダーにアルミ缶から切り出した漏斗(ろうと)を載せている。ポットの中のすき間に挟んでおけるので、まったく場所を取らないのだ。



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裏の丘の向こうの湖では、湖面が結氷。半分も無い水面で水鳥たちが遊んでいた。

気温2度。ナルゲンに入れてきた水道水も、こんなもんだろう。1オンスのアルコール燃料を注ぎ、イムコのHitで点火。そういえばこのイムコもいのうえさんから贈られたやつだ。約500mlの湯が沸くまで6分20秒。



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前述したように、このポットはお湯を理想的な水圧で珈琲パウダーに載せることが出来る。



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凍てつく信州のハイランドに、アロマが薫る。



500mlの湯沸かしに、アルコール1オンスは少し過剰だった。気温や風に影響を受けるだろうが、0.7ぐらいで沸かせるようだ。この小さなストーブ、ぎりぎりまで引き算されてコンパクトにしてシンプル、sanpo CF stoveのような消火機構は備えていない。


これが愉しみなのだ。


一杯の珈琲を味わう。あるいは、屋外で熱いスープをつくり身体を温める。こうした目的のために、どのくらいの燃料が必要で、また時間を要するのか? 燃料の容器は何を選ぶか? 山旅の日程や食事の内容と回数、ウエイトとのトレードオフ、エマージェンシー対策、そうした要素を加味して考える。考えるだけではなくていろいろな条件下で実地に試行錯誤する。その積み重ねから、適正な燃料の量を自身の経験値として導き出す。

かくまで奥深い外遊びの、その愉しみの真ん中にこのストーブがある。このストーブは、どちらかというと高所に携えて行くというよりカジュアルな珈琲ブレイクなど想定して作られているのだろう。しかしアクティビティのかたちを問わず、道具と向き合う、使ってみる、経験値を深める、という原点に、この作品がある。いまはまだプロトタイプかもしれないが、公式リリースされる日が待ち遠しい。



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by yabukogi | 2012-12-22 15:43 | 山の道具のこと


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