2012年 11月 18日

トランギア、ゴトクその後

自作の「ストームクッカーもどき」のゴトクが、最適化を終えて満足できる感じになったのでご報告。

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以前に、トランギアのアルコールストーブ用の風防+五徳を、ストームクッカーもどきの構造で自作した。その際、ナベをホールドするゴトクが暫定仕様であった。アルミの薄板を適当に曲げてナベを乗せていただけなのだ。アルミ板なので熱による劣化が予想され、数回調理を行うと文字通り崩壊の運命を辿る。そこでこのゴトク部分を、スティール、できればステンレスで置き換えられないかあれこれと試作を重ねる。形状、サイズ、あるいは材質にくわえ加工の難易度も検討、結果的には今回の仕様で最適化が叶った。備忘録程度だが整理しておく。





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最終バージョンはこれ。高さ違いの2種類で、304ステンレスの0.4ミリ厚の細板から作成(左奥)、0.8ミリ厚の鉄製(右手前)。元材料は金属加工スクラップだが、ホムセンにある材料でも可能だろう。



2種類あるのは、理由がある。

風防よりも径が大きいナベを使用する場合と、小さいナベを使用する場合で両バージョンが必要になったのだ。僕の場合、野外調理に使用するナベをチョイスする場合、外径120〜130の大きなナベ(ミニトランギア、エヴァニュのチタン/セラミック2など)と、外径95のMLV550ポットのどちらかになることが多い。大きなナベではラーメン(最近はもっぱらマルちゃんの『正麺 豚骨味』)かうどん。小さなナベでは湯沸かししてFDスープやミニパスタ。となると風防も両バージョンを作成してやれば良いのだが、この手間を惜しんでゴトクで使い分けることにした。


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たとえば写真のケトルなど、風防よりも大きな鍋を乗せる場合、ナベ底が高い方を使用する。5ミリから7ミリ程度すき間を空けて、燃焼ガスの出口を作ってやるのだ。出口が広すぎると風の吹き込みに負けてしまい、炎が煽られてしまう。


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一方、SUS304のものは、風防上縁のツラから約3ミリ低い位置にナベ底を保持する仕様。MLVの550mlポットに合わせてある。ポットの外径が94ミリ、一方の風防の開口径が110ミリなので、ポット底を下げてやらないと風の影響を強く受けてしまうからだ。


ずっと昔、自動車マフラーF社の設計技術者に聞いた話。エンジンから出てくるエグゾースト(排気ガス)をどんな形状のパイプで取り回しキャタライザ/サイレンサに送るか、出口をどうするか、えらく悩むそうだ。ヌケが良すぎるとパワーもヌケるし、悪くてもピークが取れない、このバランスこそがエンジニアの仕事領域なのだとか。同じことで、アルコールストーブの燃焼も、吸気と排気の微妙なバランスに妙があるのだろう。僕にはとても極められないが、屋外の「風」という定数化できない条件下で湯沸かし、炊飯、ラーメン、うどんと燃焼実験を重ねるしかないのだろう。



ゴトクは3個あれば仕事をしてくれる。が、僕のような粗忽者(まぬけなおっちょこちょい)はこれを紛失して困ることもあるだろう。なので常時4〜5個を携行している。携行と言ってもトランギアのストーブの中が定位置。予備の分は放り込んだままアルコール漬けだ。
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こんな自作遊びを楽しませてくれる空間。

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火の取り扱いには、十分ご注意を。僕は消火器を置いている。
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by yabukogi | 2012-11-18 02:37 | 山の道具のこと


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