2012年 07月 01日

熱血グリーンカレー魂

またこの季節が巡って来た。


蒸し暑くなると、辛いグリーンカレーを食したくなるのだ。それも、ひとくち目から舌がびりびり震え頭蓋骨がきしむような辛さが良い。ふた匙目には食べ始めたことを後悔し、タンブラを握り砕くような、そんな辛さ。この辛さが、皮膚にまとわりつく見えない水蒸気を、消し飛ばしてくれる。だって、毛穴という毛穴から汗がほとばしり出て、もやもやした水蒸気なんて、吹き飛ばしてくれるから。



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グリーンカレー、ココナッツミルク仕立てのチキンカレー。なぜか筍が具材に加えられている。そして青唐辛子。青唐辛子で思い出した。北ア方面の小屋番時代、同僚のシェルパ族の男からこの青唐辛子の佃煮を喰わされたことがある。佃煮、と便宜上書いたが、青唐辛子を油鍋に放り込んで辛味噌かスパイスかそういったもので煮詰めたやつだ。なぜかレモンが香る。こいつはネパールでは食卓に普通に置かれてるシロモノらしいが、日本では凶器とかテロ行為といわれるたぐいの味だ。これをシェルパは従食にぶち込む。だから、飯の時間は灼熱タイムだった。小屋の全員が真っ赤な顔をして大汗をかきながら、めしをかっ喰らっている、奇妙な光景だった。




話が脱線しかけたが、グリーンカレーはつまり、熱帯の陽光と大地が育んだスパイスを溶かし込んだスープ仕立ての食べ物だ。正確にはカレー料理ではなく、いわば「鍋料理」的なカテゴリなんだろう。ココナッツミルクのまろやかさ、そんな穏やかな風貌の裏側に灼熱のスパイスを忍ばせるなんて、ちょいといかして僕のようだ。こいつを日本人向けにアレンジして【無印良品】がレトルトパックで売ってくれている。このレトルトパックは突き抜ける辛さには欠けるものがあるが、煮込まれたフクロタケとチキンの絶妙な舌触り歯ごたえそして味わいに喜悦を感じる逸品だ。冒頭の写真がそうさ、僕の大好物なんだ。




じつは近所、僕が近所と書くときは信州松本を指す訳だけど、実に近所に【メーヤウ】というカレー屋さんがある。2店舗あってそのうちひとつが、ランチタイムに「カレーバイキング」をやってる。たしか、おひとり1,260円也で、何種類かのカレーを食べ放題なんだ。何年か前に通い詰めること週に二日は下らなかった。美味いのかって? 結果は、こうさ。



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上の写真の半年前まで、28インチのリーバイスを履いていたなんて信じられるかい? だから通うのは止めた。ときどき行くだけだ。



いまでは身体を絞り上げて28インチに戻ったから、またメーヤウ通いを再開しても良い。いや、本音はそうしたいんだ。けれどもう僕は、大皿に山盛りのカレーを三杯食べる、という一種の格闘技には、疲れたんだ。誤解しないで。同じカレーを三杯じゃない。最初は大好きなグリーンカレー。お替わりはもっと辛いビーフカレー、こいつは茹で玉子が入ってる。締めは骨付きのチキンカレー。こういう風だ。もちろんご飯はジャンダルムとまではいかなくても、北穂の滝谷ドームぐらいには、盛って。そう、一回のランチに、週二回。



格闘技に疲れた僕は、無印のレトルトカレー【グリーンカレー】を在庫しておいて、裏山のピークでいただくのが大好きなんだ。ミニトランギアでご飯を炊いて、もちろんストーブはトランギア。蒸らし中にミニトラのフタの上にレトルトパックを置いておくと、ちょうど良く温まる。これで安曇野の向こうに槍から穂高までの稜線が見えていれば完全に満足なんだ。カレーを滝谷ドーム三杯なんて、もう僕には向かないのだから。

今日も、そっと家を抜け出して20分、ハイクアップで1時間、あのピークから... そう思っていたけれどこの雨だ。熱血の魂がふつふつとたぎるものだから、熱帯のモンスーンを、呼び招いてしまったようだ。
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by yabukogi | 2012-07-01 14:21 | 喰い物のこと


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