2011年 12月 15日

その風防、ミニトラ専用。

アルコールストーブを使用する際の風防には、空き缶をリサイクルしている。


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トランギア(TR-B25)を使い始めた頃は何も解らず、さまざまな素材や形状を試してみた。キッチンのガス台を囲むアルミのアレを切ったりもしてみた。そんなあるとき、【新・放置民が行く】のいのうえさんから『黒風防』なるモノを教えていただいたのだけれど、入手法が解らない。そこで僕は、空き缶に手を出したのだ。


500mlのビア缶を切り開いてやると、寸法にして大体205mm x 125mmぐらいのシート素材を取り出せる。こいつを2枚接合し、高さをカットしてやるとソロ用のクッカーにちょうど良いサイズが採れるのだ。どんなクッカー/ストーブ+ゴトクを使用するか等に左右されるが、この205x125を2枚使えばだいたい間に合う。


サイズの制約について少し書くと、まず、クッカーの中に収納してやるためには高さがクッカーとほぼ等しくなる(後にこの考え方は覆される)。しかしストーブの炎の高さを考慮すれば、風防自体にも高さが欲しい。この点、EPIの【バックパッカーズクッカーS】等なら何も問題が無いが、背の低いMLV550mlチタンマグ【Ti-550 CookPot】に格納するには高さを70しか持てない。実際、僕自身も金麦の缶から65mm高で使用している時期があった


風防の長さだが、アルミ缶のシート(ロール)をつないだ「巻物」状である。前述の2枚接合だとロール長400ミリ、クリップなどで留めるための重ね合わせもあるが、ぐるりと径120ミリぐらいの設置サイズとなる。ソロクッカーの多くが110ガス缶サイズ(径90ミリ)に合わせてあることが多いが、径120ミリの場合、クッカーと風防の間に10〜15ミリぐらいのすき間というか出口を持てる訳だ。このすき間の値に僕は客観的知見を持たないのだが、風防のアルミ素材が焼かれない距離であること、同時に適切なチムニー効果を得るためには、さらに突き詰めて行くべきことがらかも知れない。


とにかく、アルミ缶2本でアルコールストーブ用の風防が出来上がる。お尋ねもあったので書いておくと、カットしたアルミシートの接合にはアルミテープを使用する。これにはキッチン用など種々有るが、クルマのマフラー補修用の専用テープが耐熱仕様となっており、高価ではあるがこれに限る。接合箇所は幅10〜20ミリを重ねとし、裏表両面にアルミテープを貼る。このとき、高価なアルミテープである。幅を半分にカットしてから節約して使う。

【重要事項】
飲料によっては、缶の内部に樹脂系のコーティングがなされている。一部の缶チューハイなどで確認済み。これは炎に炙られて溶けたり燃えたりガス吹いたり、好ましくない。加工なさる時にご確認あれ。また革手袋着用をお忘れなく。




次に、風防下部にエアインテイクを設ける。エアインテイクといっても事務用の穴空けパンチでぱちんぱちんと開ける作業である。ぱちんぱちんとやる穴の数については使用者の工夫が求められる。僕はテーブルなどの平滑面で使用する場合と、小石岩塊の不整地で使用する場合とでは異なる設定が必要であると考えている。風防下端が接する形状によって結果的に生じるすき間があるからだ。


最後に塗装する。塗装には、煙突や薪ストーブに使われる耐熱スプレーを使用する。摂氏600度まで、と謳われているので炎の温度にはやや足りないが、これを吹いておくか否かで耐久性が全然違う。僕も当初は無塗装だったため2〜3回ぐらい使用すると熱でぺらぺらに劣化していたが、耐熱スプレーを吹いてやることでこの劣化もあまり見られなくなった。まあ程度の問題でしかないのだが。ついでに書いておくと、耐熱スプレーには銀と黒が有るようだが、この黒、つや消しのマットブラックで、仕上り感が半端ない。風防は使っているうちに傷や擦った後ががしがし入って来るが、未使用状態の美しさは萌え死ぬレベルだ。


塗装する際には、両端に近いエアインテクの穴を活用する。両端の穴で伸ばしてフックなどで屋外に吊るし、晴れた日に行う。僕は庭の黒松の枝を使用している。このとき錘りを下げておかないとくるくる巻いてしまう。この錘りには、親父の形見のハーケンがちょうど良い。たぶん30年ぐらい前、前穂の東壁のどこかに叩き込まれたであろう時の傷跡なんかが風に揺れているのは、親父への供養だ。






信じられないことに、ここまではイントロダクションですら無い。


ある日のこと。僕に、ひょいと無造作に、まるで煙草の一本をくれるかの如き自然な仕草で、ミニトラをくれた人が居るのだ。まさに信じられることではない。


僕は小躍りして、帰宅してすぐに弄くりはじめた。ストーブはもちろんTR-B25。スタンドはどうする? 風防どうする? そういうことを何時間も、いや翌日も翌々日も。


上に書いたように、僕はMLV550mlチタンマグなど、径100ミリぐらいのソロクッカーを使うことが多かったのだ。このサイズのクッカーだと、湯沸かしやショートパスタの調理がほとんどで、マルタイの棒ラーメン調理にはSPの極を持ち出す。生米を炊きたい時にはDUG POT-IIがある。つまり、僕のこれまでの食スタイルでは何も不自由が無かったのだ。ある場合を除いて。


ある場合とは、うどんだ。


なぜかこの冬のテーマがうどんと定まってしまって、うどんを美味しく食べるためのギアやら食材やらアイディアを整える必要があった。そこで、その人は、ミニトラをぽんとくれたのだ。


さて。ミニトランギア(TR-28T)に合わせた風防が無い。作ろう。

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従来、風防はクッカーの内部にぐるりと(立てて)入るものだと思い込んでいた。径の小さなソロクッカーだと、当然そうなる。しかし今度はミニトラですよ奥さん。(写真のストーブが古いのは手持ちのやつだから。おニュウは未使用のまま永久保存だ)



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高さは100ミリとした。スタンドはもちろん我らがストーブマイスターSanpo師匠の手になる【放置台】。非売品ながらTR-B25とのマリアージュ、これ以上のものはない。


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ジャイアントクリップ込みの重量は30.6g。なにせミニトラ仕様である。クッカーの径が違うのだ。その違いはもちろん、うどんである。径の小さなソロクッカーでは、鍋焼きスタイルでうどんを美味しく楽しく食せないからである。このミニトラ仕様ではスクリーンのワイズ設定を500ミリ、缶を3本分使用しているのだ。


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ミニトラを、こうしてやる。こうしてやる。えぇい! 思い知ったか。












おっといけない。週末の上高地キャンプのことを書き忘れた。
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大変に楽しゅうございました。詳しくは、また。
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by yabukogi | 2011-12-15 12:12 | 山の道具のこと


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