その男、薮の彼方に消ゆ

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2011年 09月 11日

HANWAG SUPER FRICTION GTX

冬用の山靴を新調した。


ここ数年愛用していた、ハンワグ社の【クラックセーフティGTX】というブーツは、それはそれは素晴らしい山靴で、どの程度素晴らしい山靴かというと、以前に「ハンワグ社がこのモデルを作らなくなったら、僕は山へ行かない」とか、「買い替えるならクラックセーフティ以外の選択肢は、無い」と公言してきたぐらいだ。


そんな素晴らしき山靴のクラックセーフティGTXとの出会いは、地元の山道具屋【ブンリン】の大将が僕の山行スタイル等から提案してくれたもので、はじめて足を入れた瞬間、オーダーメイドかと思ったほど。爪先も踵もくるぶしも、しなやかに包んで当たる箇所も無い。以降おもに残雪期から初冬の北ア稜線を中心に履き込み、靴擦れや肉刺(まめ)といったトラブル知らず。文字通り、僕にとって最高の山靴なのである。


もっとも、山靴というものは「足形」が要。そのメーカー、モデルが採用している足形が合っているか否かで運命が別れ、天国にも地獄にもなる。僕の場合、ハンワグ社の足形が骨の形状と合致していたのだろう。それでも一度、僕は足底筋膜炎を発症させたことがある。どうやら土踏まずのアーチを支える高さが足りなかったようで、これはインソールで対応している。症状はスポーツドクターの指導を受け、ストレッチとトレーニングで改善。インソールの方は間に合わせで工夫を施してみたらジャストな結果が出て、これは本稿末尾に記す。


僕が愛用してきたクラックセーフティというモデル、かの有名な【町内の山】の池上先生が「劔岳スペシャル」と命名なさったように、斜度のある雪渓など雪上歩行、岩稜踏破に威力を発揮する。どんな威力かというと履きやすさ歩きやすさは勿論、軽さなのだ。僕の実測値で片方760gである。加えて小さなホールドでも無造作に足を置いていける、トゥ側のグリップというか信頼感が抜群なのだ。もっとも高所恐怖症で壁からはとっくに遠ざかってる僕が言うのだから、眉に唾して読んでいただくべきか....。さらに書くとガチに硬いシャンクが入っているにもかかわらず、ソール底面形状が緩くカーブしており前後の重心移動がラク、表銀座のような一般道歩きもさほど苦にならない。それでいてフラットフッティングで雪面をプレスする際にも、傾斜に前歯を蹴り込む時でも一発で決まる、絶妙なカーブなのだ。


冬靴の前置きが長々と【クラックセーフティGTX】のことで申し訳ないが、要するにハンワグの足形が僕にジャストフィットで、そのものづくりの哲学とか姿勢が好ましくて、冬靴もHANWAGという選択はしごく自然な流れだったのだ。


冬靴と言っても、正月に北穂の小屋をベースに、なんて度胸も装備も熱い血潮も無い僕のことだ。八ヶ岳辺りかせいぜい西穂のあたりまで行ければラッキー、厳冬期モデルは必要ない。そこでクラックセーフティにインサレーションを仕込んだかっこうの【SUPER FRICTION GTX(スーパーフリクションGTX】をチョイス。このモデルよりワンランク上にゴアテックスデュラサーモ内蔵の【FRICTION GTX】があるが、僕にはオーバースペックと思えたのだ。もうひとつ、北陸では『北鎌のスネーク』とか『槍のカマイタチ』の異名を取るがこのブーツを履いていて、前から欲しかったのだ。そんなこんなで、またもやブンリンの大将のお手を煩わせ、僕の新ブーツが届いたというわけである。


スペックとかインプレッションについてあれこれ書こうとしていたが、ドイツ本国のハンワグ社サイトのAlpin/Rockカテゴリ、あるいは総代理店のタカダ貿易サイトを眺めてみると、EclipseやFrictionをはじめ、ニューモデルではコーデュラナイロン素材の質感も全体のデザインも一新されている。すると、これは想像だがクラックセーフティがタカダのサイトからも「カタログ落ち」しているように、今後のラインナップは新素材・新デザインに集約されていくのだろう。そう考えれば今回スーパーフリクションを入手できたのは、機会としては最後に近いのかも知れない。この仮定だとインプレにはあまり意味が無いようなので、差し控えておこう。




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山から帰って洗って干されたクラックセーフティと。




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ハイトがこのように。くるぶしから足首をホールドしてくる感覚が、たまらん!




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ソールパターンはVibramのドロミテを採用、上のクラックセーフティより泥や雪のヌケが良さそうだ。




インソールについて。
僕はSOLBOの【DSIS ソルボウォーキング】というインソールを入れている。廉価な割になかなかの衝撃吸収性能、これに2種類の下駄を履かせている。

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青いやつはホムセンで売っていたゲルっぽい素材のインソールをカットしたもの、透明なのはダイソーにあったカカト用のもの。


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数ミリの厚みで土踏まずを下支えしてくれるだけで疲れ具合が格段に違う。いつもよろよろのふらふらなのはこいつらのお陰、なかったらとっくに動かなくなってることだろう。
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by yabukogi | 2011-09-11 14:33 | 山の道具のこと


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