2011年 01月 10日

その男、発酵中。

その男、味噌を好むこと尋常ではない。自身が発酵しているからだろう。


味噌。その男は、しばしば肉を味噌に漬け込んで焼く。どうも習性のようだ。ことに、青唐辛子を刻んで練り込んだ「こしょう味噌」という、信州ならではの変わり味噌も好む。しかし貴重な青唐辛子味噌が減るのが惜しくて、普通の田舎味噌も使う。


味噌に漬け込まれた肉塊には、麹菌なのか乳酸菌なのか、微生物が筋繊維の奥まで侵入し、半端じゃない旨味を伴う。加えて常温下でも腐敗しにくく、30時間程度であれば保存性も良好なようである。実際、春の鳳凰に味噌塗りサーロインステーキ肉を担いで行ったおり、この日の甲府盆地の気温が26度とかなり高かったにもかかわらず、南御室のテン場で焼かれた肉はこのうえなく美味であった。嗚呼味噌万歳。



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信州豚の肩ロース肉が、味噌に漬けられている。この味噌はその辺に売っている田舎味噌で、擦りおろしたにんにくと黒砂糖を混ぜ込んである。

保存性がいかに良好であろうと、生肉をふだんの山に担いで行くこともあるまい。要するに口実なのだ。美味いものを食したいだけなのだ。




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旨味が増した肉を、焼いて喰おう。その男、脂が気になるのか、グリルで炙り焼きにしているようだ。



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あぁ... 焼き目が付いてきたではないか。しんぼう堪らん。冷えたやつをぷしゅっとやりたくなるが、その男、あまりビアを好まない。夏の砂浜炎天下ならばおおいに愉しむところであるが、冬のビアなどまっぴら御免である。米から作った日本の酒でいい。いや日本の酒がいい。



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自家製のキムチがいい味わいになっている。こいつを載せて、喰らおう。へ。尿酸など、屁でもないわ!




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豚肉だけではない。鶏もまた、味噌に漬ける。もうやけくそなのだ。なお、鶏を漬け込む時は生姜を擦りおろして加えてもいい。



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ほのお、万歳。味噌も万歳。両面に焼き目をつけてやる。



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悔しいのは、だ。写真を撮った直後に、うちの豆どもにぜんぶ喰われてしまったのだ。その男の口には、胃には、ひときれも入ることは無かったのだ。一切れも、だ。ちくしょう。




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味噌だけじゃない。その男、発酵しているものは何でも好む。ある日は麹(こうじ)を手に入れてきて、塩をまぶし、水に浸している。こうして一週間も休ませ...



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地鶏の手羽先に絡めておこう。



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冷蔵庫に入れておくと、嫁や婆さまに見つかってしまう。台所裏の納戸の棚に放り上げておくのだ。



この手羽先を炙ると、悪魔の宴会に出せるぐらい、美味い。かぶりつくと思わず嗚咽を漏らすぐらい、美味い。今夜あたり、夕食の後で焼いてやる。
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by yabukogi | 2011-01-10 10:40 | 喰い物のこと


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