2010年 04月 01日

増え続けるナベの怪

舌も胃袋もひとつしか持ち合わせていないのだけれど、野外で使うナベが、増えてきた。

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あまり出番も無いのに、増え続けるナベたち。むろん、先輩方のコレクションには遠く及ばない。






去年あたりはSPのチタンクッカーをもっぱら使っていたのだけれど、これは山では湯を沸かすだけだからだ。僕はめったに、泊まりの山には出かけられない。近所の山に日帰りするばかり。常念とか燕あたりだと、ちょうど稜線に出たところに小屋があってベンチがある。ここで湯を沸かしてインスタントのスープを溶いて、千切ったバゲットにイタリア系ソースを塗ってこれを腹に収めると、次にインスタントの珈琲を貧乏ったらしくすする。北アの稜線で横目で槍を睨みながらだから、それなりに恵まれた状況なんだけれど、エネルギーの補給でしかない。独りだから会話も無くて、味気ないことこの上ない。


単独日帰り、味気ないエネルギーの補給と割り切れば、テルモスにおにぎりを持って行けば良いことになる。こうなるとガスやクッカーも要らない。そのうちもっと省略したくなって、結局チョコバーやゼリーに落ち着く。山の上で食べるごはんの美味しさを忘れてしまっている。その男、何のために山に来てるか、もうわからない。


信州松本の桜はまだまだなのだけれど、風が暖かくなってくれば気持ちも浮かれてくる。春ののどかな里山の尾根の上で、霞たなびく安曇野を眺めながら飯でも炊いてみようか...。
そんなこんなで、お山の上で美味しいごはんを食べようと思いを新たにして、むかし使っていたエバニューのアルミナベを引っ張り出してきた。チタンと違って飯が炊けるし、ぺらぺらの感じがしないので手のひらにもくちびるにも心地よい。チタンより、実測値をここに書くまでもなく重たいが、めしのためだ。しかし古いナベはフタの密着が甘く、これはよろしくない。むむむ、炊飯に適した圧が得られるのはやはりメスティンか。


家でのご飯の管理上の事情から、朝に2合炊きができないものか考えていた。いつもはメスティンで1合炊きで済ませるのだが、もう1合ほしい。風呂場にSPのトレック900と1400があるが、これはこどもたちのお風呂道具で石鹸臭くて使いたくない。炊飯器があれば良いのだが、うちには無い。本来飯炊き用の台所の土鍋だと、洗うのが面倒ときてる。


そんなことを考えていた矢先、ショップでDUGのPOTというのを手にしてみた。IとIIがあって、でかいほうのIIなら2合炊けそうである。安いものなので買ってきて試すと、すこぶるよろしい。ナベ底の広さ、深さ、熱のまわり、フタの形状、圧力の具合(炊飯中はヤカンが乗る)、そんな相乗効果なのか、炊き上げためしつぶがぷりぷりに立ち上がって、舌触りがたまらないのだ。

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POT IIで2合炊きの図。写真では不味そうだが、ぷりぷりに飯が美味い。


POTは、丸い底のナベがフタになるため、砲弾型と言うべきか、撫で擦りたくなるようなフォルムが愛らしい。いや、小憎らしい。こういう形だと大があれば小が欲しくなるもので、大小並べて眺めて見る。眺めていたら、お砂道具になってしまっているTEAというセットが倉庫にあったことを思い出して、掘り出してきた。メーカー不明のステンレスクッカーセットもふたつ出てくる。びっくりしたのは、買った覚えの無いソロアルミの焚まで出てきた。


POT IとPOT II、それにTEAをならべて、スタッキングはどうよ? と重ねたり組み替えたり遊んでいたら、DUG POT IIとTEAの組合わせだと、納まりが良い上に飯の愉しみが増えるだろうと想像を巡らせる。湯沸かしポット、飯炊きナベ、飯とおかずを盛る器、そしてスープと珈琲のカップ。いいねえ。ところがこの状態で重さを量るとなんと535グラムと、ありえない重さになった。稜線に担いで行くには重すぎるが、裏山でぼけっと過ごすにはこれでいいのだろう。


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DUGブラザーズ。こいつらをなで回していると、頭頂部でばちばち鳴っていた青白い火花が鎮まっている。どうやら心身に溜まり貯まった静電気をアースしてくれたようだ。これもアルミの効能か。さて、明日は焚火缶のセットを買いに行こう。
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by yabukogi | 2010-04-01 16:02 | 山の道具のこと


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